万葉線電停に案内看板 高岡・吉久の住民、富大生が設置

万葉線新吉久停留場に設置された案内サイン=高岡市吉久2丁目

  ●重伝建や遊び場紹介

 重伝建(重要伝統的建造物群保存地区)の高岡市吉久地区の住民や富大芸術文化学部の学生らが制作した地区の案内看板が15日、吉久の玄関口にある万葉線新吉久停留場に設置された。重伝建をはじめ、歴史的な名所や子どもの遊び場、住民の憩いの場を紹介し、観光客だけでなく地域住民にも吉久の豊かな魅力を伝える。

 案内看板は縦1メートル、横2メートルで、地区の案内看板を見直す「サイン計画」をもとに制作した。

 重伝建地区や加賀藩の米の収納蔵「御蔵跡(おくらあと)」といった歴史的な跡地を分かりやすく示した。国登録有形文化財の町家や旧街道などの歴史スポット、町家を改修したカフェなど住民の憩いの場、立山の眺めやサクラの景色を楽しめるスポット、秋祭りの舞台となる神社なども盛り込んだ。

 スポットはオリジナルのロゴマークで示し、憩いの場所や神社仏閣を巡るルートも紹介した。藩政期の主要道路で、千本格子「さまのこ」を構えた町家が並ぶ「旧放生津往来」や、御蔵跡、明治から昭和期まで吉久と伏木を繋いだ「伏木橋跡」などの風景を、故岡山寛氏のイラストと住民のエピソード入りで伝えている。

 案内看板の制作は高岡市日本遺産推進協議会からの受託研究として、富大の籔谷祐介研究室と田邊元研究室の学生や住民が、2022年から計画を進めてきた。富大大学院2年で吉久のシェアハウスに住む北島陽貴さん(24)が、新吉久駅の案内看板をデザインした。

 今後、旧放生津往来沿いに案内看板の設置を検討している。北島さんは「訪れた人に吉久の魅力を楽しんでもらいたい」と話した。吉久まちづくり推進協議会の草島誠一会長(75)は「震災復興の活力につながることに期待する」と述べた。

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