元十両・髙立、味で勝負 髙木さん(金沢学院大附高OB)料理店開業

料理店を開業する髙木さん=野々市市粟田

  ●18日に野々市

 金沢学院大附属高OBで元十両・髙立(たかりゅう)の髙木立太さん(31)が18日、野々市市粟田で料理店を開業する。ちゃんこ番で鍛えた料理の腕を生かし、昼はちゃんこ定食、夜はジンギスカンを提供。現役時代、200キロ超の巨漢から突き押しを得意とした髙木さんは「相撲と同じで裸一貫、押して勝負です。お客さんの舌をうならせたい」と意気込む。

 髙木さんは2021年、8年間の現役生活に終止符を打った。引退後、就職先を口添えしてくれる相撲関係者もいたが、「相撲以外の仕事に就いて勉強したい」と職を探し、翌年に社会福祉法人愛里巣(ありす)福祉会に就職、野々市市の施設で2月末まで2年間働いた。

 「いつか店を持ちたい」とおぼろげな夢を抱いていた髙木さんは、高校相撲部の2年先輩で飲食店オーナーの角谷翼さんに背中を押されて開業を決意。亡くなった父繁樹さん(享年54)の一字を取り、店名は「相撲茶屋 繁(しげ)」とした。商売繁盛の思いも込めた。

 高校時代は1年先輩の幕内・遠藤らと全国大会で活躍。拓大卒業後に木瀬部屋に入門し、2年目の夏場所で佐藤(大関・貴景勝)との全勝対決を制して幕下優勝し、十両昇進を決めた。所要8場所のスピード出世だったが、一場所限りで陥落、その後は幕下から上がることはなかった。

 大相撲、社会人を経て挑む「第3の人生」。髙木さんは「開店日は32歳の誕生日。地元に愛される店にしたい。尊敬する遠藤先輩や力士が来てくれたらうれしい」と語った。

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