金沢都心で延伸日特需 飲食券、集客に一役

大勢の客でにぎわう飲食店。今週末は満席の店も多い=金沢市内

 金沢中心部の飲食店や宿泊施設に、北陸新幹線金沢―敦賀間が開業する16日と翌17日の予約が次々と舞い込んでいる。開業に合わせてスタートする「北陸応援割」やプレミアム飲食券の効果で満席となる店が続出。宿泊も16日を中心に予約が相次ぎ、一部ホテルは満室となった。関係者は今週末の新幹線特需を確信し「金沢の元気が能登の復興支援にもつながる」と期待を寄せる。

 「16、17日はもう満席。予約は4月上旬までかなり埋まってきている」。北陸随一の歓楽街・金沢市片町にあるおでん店「赤玉本店」の田端葉月専務は、地震で落ち込んだ飲食需要の回復に手応えを語る。

  ●行楽、歓送迎会も

 観光客に人気の高い同店には、週末を中心に予約が相次ぐ。田端専務によると、北陸応援割の効果だけでなく、春休みの行楽シーズンや歓送迎会の需要も伸びている。近江町市場内の飲食店「近江町食堂」も4月まで予約が入っており、特にインバウンド(訪日外国人)客が目立つという。

 香林坊や片町など市中心部の飲食店では、1万円で1万2千円分の飲食ができるプレミアム飲食券も集客に一役買っている。

 柿木畠の飲食店「いたる本店」は16、17日が満席となり、23日以降の週末も飲食券などの効果で9割の予約が埋まった。地震の影響で落ち込んだ客足は7割程度まで回復しており、担当者は「金沢が活気を取り戻すことで能登の応援にもつながるはずだ」と話す。

 ANAクラウンプラザホテル金沢では、3月の宴会件数が、開催見込みを含めて前年同月の実績を上回った。宿泊部門も週末を中心に好調で、中でも16日はひときわ多いという。ホテル日航金沢も16日はほぼ満室となっている。

 県によると、多数の予約が入ったため、金沢の宿泊施設に2次避難している被災者数十人が県内外の別の施設に一時的に移ったという。

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