魅力再発見 中部の産業観光 (5) JERA 川越電力館テラ46 (三重県川越町) 地球46億年 資源の歴史学ぶ 開館28年で348万人が来場

7階建て・高さ約39メートルの電力館展示棟に収まる直径29メートルの地球儀は圧巻

 伊勢湾岸自動車道・みえ川越インターチェンジから車で約5分の場所にある「JERA 川越電力館テラ46」(三重県川越町亀崎新田朝明87の1)は、楽しく体験しながら電気やエネルギーについて学べる無料の施設だ。地球46億年の贈り物であるエネルギー資源が無限でないことを理解しながら、エネルギーと生活の関係などを知ることができる。1996年の開館から約28年間で累計約348万人が訪れた人気施設だ。

 人と地球の共生と未来をテーマにした参加体験型の施設として、地域住民を中心に親しまれている。施設名の「テラ」はラテン語で地球、「46」は地球誕生46億年にちなんでおり、公募により施設名が決まった。

 7階建て高さ約39メートルの電力館展示棟に収まる直径29メートルの地球儀は圧巻。実際の地球の約44万分の1のサイズで造られていて、地球儀の中には3~6階の展示物がある。

 駐車場のエレベーター棟上部と施設の3階にある入り口までを結ぶ約27メートルの「スペースロード」では、半球型の宇宙座標グラフィックを展示。宇宙の銀河系のかなたから地球に向かうような雰囲気を味わうことができる。

 3階のサテライトインフォメーションでは、自分の名前と写真が入った「テラカード」を作成。このカードを使って施設内のゲームなどを楽しむことができる。同フロアにある「ワンダーマシン」は、地球へ旅する宇宙船を模した内装で、地球46億年の歴史や自然をたどる映像により、臨場感あふれる体験ができる。4階の「サミットスタジオ」では、大画面で個性豊かな首脳たちと一緒に、環境にちなんだ地球救出サミットに参加できる。エネルギー消費量の国別比較や地球温暖化を可視化した地球儀も展示している。

 5階のハイパーシアターでは、大画面とタッチペンを使い、発電所をテーマにしたゲームに挑戦できる。施設で一番人気のあるエリアで、シアターを出ると、「ECOトレーニング」をキーワードに遊びながら環境やエネルギーの知識を身に付けることができる体験型の機器がある。

 6階は、発電に関するパネルを展示。火力、水力、原子力や、隣接する川越火力発電所について学ぶことができる。7階の川越展望サロンでは、川越火力発電所や川越町の周辺を360度で見渡すことができる。

 また、屋外には中部圏の地形を1600分の1に縮小した「伊勢湾ジオランド」がある。各名所の案内や、音の出る遊具などが点在しており、子どもたちの歓声が響く。

 イベントも定期的に開いている。3月は23、24の両日にプラネタリウムやワークショップを開く。春休みのイベントとしてにぎわいそうだ。

 来館者数は、コロナ禍前で年間約6万~7万人が訪れていたのに対し、今年は既に3月までに7万2千人(発電所見学除く)が来館している。コロナ禍に画像共有アプリ「インスタグラム」で施設の魅力を広くアピールした効果が表れている様子だ。

 中部電力グループの中電クラビスで川越電力館館長代理を務める村山嘉尚氏は「当館でエネルギーや科学に興味を持っていただけるよう、多くの方にご来館いただきたい」と話している。

メモ JERA川越電力館テラ46の住所=三重県川越町亀崎新田朝明87の1。開館時間は午前9時から午後4時半(入館は午後4時)まで。休館日は毎週月曜日(祝日・振り替え休日の場合は翌日)と第3金曜日。年末年始。入館料は無料。

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