大谷翔平が抜けたエンジェルス「チームを取り巻く状況が激変」と専門メディアが指摘「リラックスしたチームは何勝に値するのか」

2024年シーズンのMLBは、3月20日に韓国・ソウルで行なわれるロサンゼルス・ドジャース対サンディエゴ・パドレスで幕を開ける。3月15日にドジャース一行が韓国に到着した際、大谷翔平が妻との新婚ツーショットを披露するなど多くの話題を振りまく「二刀流スター」は、これまで以上のスポットライトを浴びる存在となっている。

一方で、古巣ロサンゼルス・エンジェルスのトピックがスプリングキャンプ中にしばしば伝えられてきた。とりわけ大谷の退団で取材するメディアが激減。所属選手たちもさまざまな表情を浮かべているという。

エンジェルス専門サイト『Halos Today』も、現地15日の記事で「大谷不在」となった影響について見解を示した。同メディアは大谷がチームを去ったことで、「選手ひとりとロッカーひとつを取り除く以上の効果をもたらした。エンジェルスの試合を取材することに唯一の関心を持っていた日本の記者やジャーナリスト十数名もいなくなった」とキャンプの様子を伝えた。

また、米メディア『The Athletic』の記事を引用する形で、「大谷がいないため、息抜きのスペースが増えたことは、エンジェルスにとっておそらく唯一の特典である」と指摘。「ベテランのクローザー、カルロス・エステベスは『選手たちは多くのメディアに脅えることさえもあった』と語った」とチーム内の状況を伝えている。

エステベスはこうも語ったという。「選手たちがあまりにも多くのメディアに怯えることがあった。とくに若手の何人かがね。若い選手たちは“僕は邪魔にならないようにするよ”って感じだったね」。
ほかにも、「大谷の親しい友人のひとり」と紹介されたパトリック・サンドバルは、メディアの対応が大きく違ったと語った。サンドバルは自分についての質問はひとつで、あとの10は大谷についての質問だったことを「奇妙な行動」と話したという。

さらに「大谷のスケジュール管理を担っていた広報スタッフのグレース・マクナミーが、ゆったりした時間を楽しんでいる」として、球団スタッフも多忙を極めた昨季までとは異なる日々を送っているという。コーチのレイ・モンゴメリーは、「マクナミーがこれだけリラックスしているのを見たことがない」と語ったようだ。

こうしたエンジェルスの現状を報じた同メディアは、「昨季よりリラックスしたチームは何勝に値するのか」などとシーズンの結果への影響を問いながら、「エンジェルスの2024年シーズンにおける、より魅力的なサブストーリーのひとつに数えてみよう」などと論じている。

大谷が去ったことで、戦力面はもちろん、球団に携わる多くの人々の心理面にも大きな変化を及ぼしていることは明らか。生まれ変わったエンジェルスは2024年、どんなシーズンを送るのだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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