「13年経っても忘れられない」東日本大震災をきっかけに岡山県に避難・移住 求められる「広域避難」支援とは【岡山】

この東日本大震災をきっかけに岡山県に避難・移住してきた人たちを支援する団体があります。
「ほっと岡山」です。

この春から新たな取り組みを始めることになったのですが、この団体が見据えるのは、南海トラフ地震の際にも求められる「広域避難」のあり方についてです。

(避難移住者)
「13年前のことを3月になると思い出して苦しくなります」

(避難移住者)
「震災の前に戻るのを待っているのか、次の新しい段階に進むのを待っているのか…」

13年経っても忘れられないー。

思いを語るのは、東日本大震災をきっかけに東北・関東地方から岡山にやってきた避難移住者です。

10日、避難者支援団体「ほっと岡山」と岡山県が開催した交流会。参加者からは、避難当初の生活の苦労も聞かれました。

(関東地方から避難移住した男性)
「最初は子どもが小さかったので託児所を探さないといけない、仕事を探さないといけない。半年限定の移住支援住宅に入れたけどその先の住まいをどうするか…生活の基本的なところ。」

(福島県から避難した男性)
「がむしゃらすぎて過去の記憶がないんですよ。再建するのが大変過ぎてこのような思いは二度としたくない」

「ほっと岡山」は、こういった広域避難者ひとりひとりの事情に応じて手助けする仕組みづくりを、この春から始めることにしました。

(ほっと岡山 はっとりいくよ代表理事)
「中国地方でも大規模災害として南海トラフ地震が意識されているが、避難先地域の支援がバラバラなので、格差が生まれたりすることが生活再建の大幅な遅れ、その後の暮らしや人生に大きな影響を与えるのではないかな」

3月1日に開かれた広域避難について考えるフォーラムです。

避難先によって受けられる支援の程度が異なることや、地域での孤立化など、避難者の生活再建には様々なハードルがあると指摘されました。

発生が懸念されている南海トラフ地震では、多くの人が広域避難を強いられる可能性があり、官民共同での体制づくりは急務だといいます。

(ほっと岡山 はっとりいくよ代表理事)
「広域避難は制度がなかなかないので、どうしても支援者頼みになってしまう。1人1人がどう今後、生活再建ができるとかちゃんと向き合った支援のあり方がやっぱり大事」

(岡山県危機管理課 植田浩一防災対策班長)
「こういった課題は我々がこれから考えて解決していかないといけない。岡山県としても準備しなければいけない」

13年前の教訓をいかして…。

ほっと岡山では、今後、避難者個別の事情に応じたケアをする「災害ケースマネジメント」の研修など支援者の育成に力を入れるということです。

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