県内全線開業 北陸新幹線敦賀延伸 小松、加賀温泉駅に一番列車

敦賀発の東京行き一番列車「かがやき502号」の入線を見守る人々=16日午前6時48分、JR小松駅

 北陸新幹線の金沢―敦賀間(延長約125キロ)は16日、延伸開業し、石川県内の全線開業が実現した。金沢駅では午前6時の定刻通りに敦賀行きの一番列車「つるぎ1号」が出発。新たな新幹線駅である小松駅、加賀温泉駅のホームでは大勢の人々が車両を出迎え、祝賀ムードに沸いた。

  ●東京駅に浜辺美波さん登場

 東京駅では午前6時16分に敦賀行きの「かがやき」が出発。ホームでセレモニーが行われ、石川県出身の俳優浜辺美波さんが手を挙げ「出発」と合図した。

 「かがやき」は小松、加賀温泉の両駅に1日2往復止まり、東京までの所要時間は、小松が2時間40分、加賀温泉は2時間43分となる。金沢―大阪間は従来より22分短い2時間8分となる一方、敦賀駅で新幹線と特急の乗り換えが必要となる。

 北陸三県は新幹線で1時間圏内でつながるようになり、交流促進が期待される。

 16日からは新潟、富山、石川、福井の4県を対象とする観光復興支援「北陸応援割」の適用がスタート。多くの観光客が訪れると見込まれる一方、石川県内のホテルや旅館では能登半島地震の2次避難者が多く滞在しており、沿線自治体には支援との両立を求められることになる。

 北陸新幹線は1997年に高崎―長野が先行開業し、2015年3月14日に長野―金沢間が開業した。金沢―敦賀は12年8月に着工したが、トンネルの地盤膨張に伴う追加工事などにより、開業が当初予定していた23年春から1年遅れた。

 北陸新幹線敦賀延伸開業に伴い、石川県の並行在来線IRいしかわ鉄道は金沢―大聖寺間まで延伸し、運営を開始する。

小松駅に入線する北陸新幹線「つるぎ1号」=16日午前6時10分 小松駅前立体駐車場屋上

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