東京都で「4100万円の注文住宅」を建てた40歳代夫婦。リビングの窓やバルコニーに後悔する理由

どんな住宅のプランにも必ずメリットとデメリットがある

国土交通省の「平成30年住生活総合調査」によると、住宅に対する評価では「まあ満足」が52.9%、「満足」が23.4%、「多少不満」が20.1%、「非常に不満」が3%、「不明」が0.7%となっています。

※この調査は5年に1度の調査で、14回目となる最新の調査は2023年(令和5年)12月28日に終了しており、速報は2025年(令和7年)1月頃に公表される予定です。

同調査での経年変化を見ると、これまでの調査で最も不満率が高かった1988年(昭和63年)の51.5%からは大幅に減少しているものの、容易に建て替えることができないマイホームを高額な費用で購入しておよそ1/4にあたる23.1%もの方が不満に思っていることは、決して好ましいことではありません。

住宅購入で失敗しないためには、他の方達の体験談を参考にすることも、非常に重要になります。

そこで本記事では、東京都で18年前に注文住宅を建てた方の体験談を紹介します。

  • 【居住地】 東京都
  • 【住宅の購入費用】 4100万円
  • 【現在の年齢】 49歳
  • 【購入時の年齢】 31歳

是非参考にしてください。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

注文住宅を建てた夫婦が後悔しているポイント1:リビングの窓を設置した位置

リビングの窓を設置する位置に後悔

「リビングの窓を設置した位置が悪く、隣家や近くの道路からリビングの中が丸見えになってしまう」と語るご夫婦。

確かに家の外から部屋の中が丸見えになってしまうと、部屋でゆっくりとくつろぐことができません。

しかし視線を遮ることを重視して窓の数や大きさを制限してしまうと、暗くて風通しの悪い家になってしまいます。

したがって、注文住宅の設計では以下の視点や工夫が必要になります。

  • 窓の位置や高さをずらして外部からの視線を遮る
  • 窓の前に目隠しフェンスや植栽を配置してほどよく視線を遮る
  • トップライトを設置して天井からの採光を確保する

注文住宅を建てた夫婦が後悔しているポイント2:バルコニーが狭い

「バルコニーが狭いため、洗濯物を干すにも一苦労で全く使わない。またバルコニーの下には部屋があるので、防水のメンテナンスにも結構費用がかかってしまう」という点も後悔ポイントとしてあげられました。

とはいえ、シーツや布団カバーなどを干す際にはバルコニーがあると便利です。

したがって、バルコニーの奥行寸法は最低でも1m以上は確保したいものです。

またバルコニーには直接雨があたるので、バルコニーの下に部屋がある場合にはどうしても室内への雨漏り発生のリスクが高まってしまいます。

対策のひとつとして、バルコニーに屋根を設置する方法があります。

注文住宅を建てた夫婦が後悔しているポイント3:動きづらいウォークインクロゼット

「部屋を有効利用しようとして特に収納スペースにはこだわったが、通路が狭くなってしまって動きづらいウォークインクロゼットになってしまった」とも語ります。

ウォークインクロゼットは収納スペースが広く、どこに何があるのかが一目で確認できるため、収納物の管理がしやすいのがメリットです。

しかし自由に使えるスペースが多いので収納が乱雑になりやすく、通路幅が狭くなってしまいがちです。

そのため、通路幅を最低でも60cm程度は確保できるようにプランニングする必要があります。

注文住宅を建てた夫婦が後悔しているポイント4:階段が急

「階段が急すぎて高齢の両親からよく不満をいわれる。購入時には子供もすでに中学生だったので、バリアフリー的なことは全く気にかけなかった」

階段は建築基準法で踏面(足を乗せる面)と蹴上(階段1段分の高さ)の寸法が定められていますが、これはあくまでも最低寸法なので、規定ぎりぎりの寸法では昇り降りがしにくくなってしまいます。

また踏面と蹴上寸法のバランスも重要で、個人差があるものの一般的には「蹴上×2+踏面=60cm」になるように計画すると、昇り降りがしやすいとされています。

階段は住宅の中でもとくに事故が起こりやすい場所なので、高齢になっても安全に昇り降りできるようにあらかじめ計画しておくことが大切です。

注文住宅を建てた夫婦が後悔しているポイント5:玄関に近い位置にトイレを設置した

「玄関に近い位置にトイレを設置したため、家族の誰かが玄関で接客しているとトイレに入りにくい」

玄関に近い位置にトイレがあると、他の部屋に音が漏れるのを気にしなくても良い、小さな子供が帰宅後にすぐに用を足せるなどのメリットがあります。

その反面で、夫婦が語るようなデメリットも生じてしまいます。

トイレはプライベートな空間なので、どこに配置するのか各家庭の事情を考慮し、慎重に検討することが大切です。

注文住宅を建てた夫婦が満足しているポイント1:和室

和室に満足

続いて、東京都のご夫婦が満足しているポイントも見ていきましょう。

「和室を設置したので良い気分転換になり、来客時にも喜ばれる」

和室にはメリットとデメリットがそれぞれあります

和室のデメリット

  • 畳の裏返しや表替えなどのメンテナンスに手間と費用がかかる
  • ダニやカビの温床になりやすい

和室のメリット

  • 幅広い使い方ができる
  • 畳の「い草」の香りにはリラックス効果がある

したがってメリットとデメリットを良く理解した上で、設置するかどうかを決めることが大切です。

注文住宅を建てた夫婦が満足しているポイント2:ランドリールーム

「ランドリールームがあるので部屋干しが可能で、天候に左右されずに洗濯ができる」

ランドリールームには家事の効率が上がるなどのメリットがある一方で、床面積が必要になるため建築コストがアップするといったデメリットもあります。

そのため本当に必要なものなのかどうかを、事前に良く検討することが大切です。

注文住宅を建てた夫婦が満足しているポイント3:玄関を広めにした

「玄関を広めにしたので子供のスポーツ道具などをスッキリと片付けることができ、ベビーカーのお客様が訪問してきた際にも便利」

玄関には靴や傘以外にも多くのものが集まりがちなので、収納不足で後悔するケースが非常に多いといえます。

そのため玄関を広くして十分な収納スペースを確保したいと考えがちですが、一方では玄関を広くした分ほかの部屋が狭くなってしまった、散らかりやすくて掃除や片付けに手間がかかるなどという理由で後悔することもあります。

したがってデメリットにも目を向けて、適切な広さのスペースを確保することが大切です。

注文住宅を建てた夫婦が満足しているポイント4:寝室

「寝室を広くして場面にあわせて壁で仕切ることができるようになっているので、気をつかわずにテレワークができる」

目的に応じて部屋を仕切れるようにすると、部屋の用途が広がるので非常に便利です。

特に夫婦の寝室の場合にはお互いの自由な時間を確保することができるので、効果が高いといえます。

注文住宅を建てた夫婦が満足しているポイント5:ビルトインガレージ

「駐車スペースをビルトインガレージにしたので、悪天候でも車の乗り降りが非常に楽で快適」

ビルトインガレージは悪天候でも車の乗り降りが楽になるばかりでなく、不審者の侵入防止や車の雨風による汚れ防止の効果があり、大きな荷物の積み下ろしも楽になります。

一方では建築費が高くなってしまう、室内では騒音や振動が気になる、換気が必要になるといったデメリットもあるので、こうした点には注意が必要です。

どんな住宅のプランにも必ずメリットとデメリットがある

どんな住宅のプランにも、必ずメリットとデメリットがあります。

そのため注文住宅を建てた後に「もっとこうすれば良かった…」と後悔してしまうことも決して珍しくありません。

プランニングで失敗しないためには、現在の住まいに対する不満点をリストアップして、家族全員の暮らしにマッチした間取りを考えることが大切になります。

また他の人の成功例や失敗例なども参考にして、そこでの生活をイメージしながら住宅会社との打ち合わせを進めることをお奨めします。

参考資料

  • 国土交通省「平成30年住生活総合調査」

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