愛と人脈の総力戦「華大どんたく」は新たな福岡の風物詩!? 全国の人気芸人がドームに集結した1日を振り返り

福岡で新たな“祭り”が誕生した。コンビ結成33周年を迎えた博多華丸・大吉が2月10日、福岡PayPayドーム(福岡市中央区)でお笑いイベント「博多華丸・大吉 presents 華大どんたく supportedバイ 洋服の青山」を開催。お笑い芸人がドームでイベントを行うのは前代未聞で、華大の周年イベントを盛り上げるべく日本全国から総勢48組80人の芸人が出演した。「愛と人脈のタニマチシート」「わりぃ~な席」など、変わった名前の席種も話題となり、チケットは事前に完売。約3万4千人超の観客がドームに詰めかけた。

開演前にはショートムービーが放映され「華大どんたくの楽しみ方」と「会場内のルール」を、華大はもちろんミキやくまだまさしらが登場し、コントを交えて説明。かなり豪華な前説だ。その後、満員の客席を眺めて感無量の華大が登場。大吉は「今日は長丁場なので、一つ二つ見逃すくらいのつもりで楽しんでください!」 、華丸は「椅子がね、お尻が痛くなるのでね、適宜休んでね」と、なんとも2人らしいゆるいコメントで約9時間半の“宴”が開幕した。

演目は大きく「ネタステージ」「どんたく大運動会」「大喜利ステージ」「華大リクエストアワー」で構成され、その合間にミニコーナーを挟むという流れ。

最初のネタステージ後は「どんたく大運動会」。組み分けは「若手チーム」の見取り図、EXIT、ニューヨーク、蛙亭、からし蓮根、「ほぼ同期チーム」の博多華丸・大吉、FUJIWARA・原西孝幸、宮川大輔、ナインティナイン、矢野・兵動の矢野、ケンドーコバヤシ、陣内智則という布陣。開会宣言のタイミングで、MCの麒麟・川島明、かまいたち・濱家隆一からシークレットゲスト登場のアナウンスが。「ダメ元で頼んだ」「愛と人脈の総力戦ですから」と華大が語る会場の中央から現れたのは、なんと明石家さんまで、会場は騒然。鳴り止まない拍手と歓声に包まれた。

さんまは「俺の歴代のマネジャーがよしもと福岡の人間だったから、華大の苦労やエピソードは聞いていた。だからこそ今があるし、今日は博多を盛り上げてください」とねぎらいの言葉とエールを送り、開会を宣言。両チームの芸人が福岡の球団・福岡ソフトバンクホークスのユニホームを着用し、大縄跳び、玉入れ、二人三脚リレー対決を繰り広げた。

運動会を終え、ケンドーコバヤシ、宮川大輔、かまいたち、見取り図が記者の囲み取材に出席。

優勝したほぼ同期チームのケンコバは「年甲斐もなく本気になってしまった」とポロリ。宮川は、二人三脚リレーを振り返って「華丸さんからバトンをもらったんですけど、華丸さんが岡村(隆史)をおぶって満面の笑みで走ってきた時は、なんか泣きそうになった」と胸を打たれた様子だった。

見取り図・盛山晋太郎は、仕事で前日から福岡に入っていたそうで「街を歩いていたら『明日、華大どんたく行くよ』とたくさん声をかけていただいて、福岡の方にとってとんでもないイベントなんだなと思いました」とコメント。また、「(華大さんは)福岡の方々に愛されているんだなと感じます。5年以内に銅像が立つんちゃうか、というくらい福岡でスーパースターです」と、その影響力を実感した模様。かまいたち・山内健司は「東京で会う華丸さんより10歳くらい若返って見えた。東京でたまったものをここで吐き出してるんかな」と生き生きとした華丸を目の当たりにしたようで、これを受けて濱家も「政界に出るみたいな顔してた」と明かし、笑いを誘った。

続いては「大喜利ステージ」。モンスターをお笑いの力で倒すという、ゲームのような世界観の中で現れたのは“勇者”の姿をした千鳥・ノブ。モンスターを倒すために呼び出されたのは千原ジュニア、博多大吉、バカリズム、笑い飯・西田幸治、麒麟・川島、千鳥・大悟、ロバート・秋山竜次で、フジテレビ系の人気バラエティー「IPPONグランプリ」歴代優勝メンバーという顔ぶれだ。

モンスターを倒すために用意されたさまざまな大喜利に、芸人たちが“渾身(こんしん)の一撃”をぶつける。会場も一体となり順調にモンスターを撃破していくのだが、ラスボスを相手にまさかの時間切れという幕切れ。それでも豪華メンバーの生大喜利に会場は大盛り上がりとなった。

ステージ終了後の取材会には、西田、川島、秋山が出席。

西田は「すごい会場ですが、大喜利するには多過ぎるお客さんでしたね」、川島は「名だたる出演者さんと一緒に出られたことが本当にうれしいです」とコメント。秋山は「日本のドームの中ではやはり福岡が一番好きですから、憧れの場所で大喜利できてよかったです。舞台裏にも名店がたくさん来て、福岡の祭りを増やしたかなと思っています。どんたく、山笠、華大どんたく」と振り返った。

ケータリングの話題では、屋台だけでなく差し入れもずらりと並んでいたそうで、川島は「(華大)お二人の顔がプリントされていて、ストローがついていたので、カフェラテやなと思ったら、芋焼酎でした(笑)」と暴露。後日、川島のXにも写真が投稿され話題となった。

イベントもいよいよ終盤。「華大どんたく リクエストアワー2024」では、華大が見たいとリクエストした芸人たちがステージに上がる。

華丸チームと大吉チームに分かれ、交互にネタを披露していった。MCは南海キャンディーズ・山里亮太。チョコレートプラネット、メンバー、霜降り明星・せいや、トレンディエンジェル、原口あきまさ、どぶろっく、ロバート・秋山、ダイアン、山口智充、藤井隆が渾身のネタを披露し、華大はもちろん、会場全体が爆笑の渦に包まれた。

そして、エンディングは出演者総出で「明日があるさ」を熱唱。華大はトロッコで1周し、ステージやスタンドにも出演者が登場。すぐ近くに出演者が来たことで客席はまたヒートアップ。タカアンドトシ、銀シャリ、チュートリアル、南海キャンディーズ、原西、ケンコバ、EXIT、藤井隆、笑い飯、川島、千鳥、華大、田中健二(華大の同期)と順に歌い、最後には華大がオリジナルバージョンの替え歌を歌い上げた。

閉幕は華丸こだわりの「博多手一本」で締め。ドームにいる全員を巻き込み、練習の後、全員で手一本。キャノン砲まで飛び出し、9時間半におよぶ“祭り”は感動のうちにフィナーレとなった。

終演後の囲み取材には華大、千鳥、霜降り明星・せいやが登壇した。

――終わった直後の感想と、一番記憶に残っているシーンを教えてください。

華丸 「無事、けがなく終わってよかったなとホッとしております。同期の芸人も多く満身創痍(そうい)ではあったのですが、これだけのお客さんがいると、みんないい意味でムキになっていくのがね、みんなでお父さんの頑張る姿を見るような気持ちにもなれてよかったなと思います。大運動会の縄跳びは、ホントすごかったよね、まさか勝てると思ってなかったもん!」

大吉 「歌に大喜利にネタにと、あらゆる景色が見られて、吉本興業は本当にすごい会社だなと思いました。今日もNGKとかルミネでは公演があるわけで、まだ来ていない芸人さんがいっぱいいるって思うと、あらためて愛社精神が芽生えました!」

大悟 「感動しました。最後の歌で華大のお二人が替え歌をされたのがよかったです。こんなイベントなかったなぁと。あと、博多手一本の華丸さんの気合の入り方は、『今までに見たことがない』なと。すごく印象的でした」

ノブ 「方言漫才の先輩でありパイオニアであるお二人が、こんな世界を見せてくれたんだと感動しました。実は1年前にMr.Childrenのコンサートでこの福岡PayPayドームに来たので、まさかこのステージに立てる日が来るとは思いませんでした。頑張っていればこんなことが起こるんだなと」

華丸 「『Tomorrow never knows』ってそういう意味やったんかもしれんね! 桜井(和寿)さんはこのことを言っとったんかもしれんね(笑)」

せいや 「(武田鉄矢の物まねで)華大と千鳥。もうね、僕の時代にはこんな先輩はホントにいなかったのよ。こんな素晴らしい芸人が現れると思ってなかったので、本当に頼もしいね!」

――華大のお二人は昨年秋、このイベントのプロモーションで九州を回った際、「今後は各県のホールでその土地の“住みます芸人”と一緒にイベントをやっていきたい」と語られていましたが、活動の目標は変わりましたか? 演者からのコメントでも、毎年開催してほしいという声もありましたが今後もイベントは開催しますか?

大吉 「そうですね、いったん住みます芸人は消します(笑)。本当のところで言うと、千鳥だって岡山でもやれると思いますし、日本にはほかにもドームがありますんで、まずは札幌ドームを目指してタカアンドトシを口説こうと思っています。そして関東大会、東北大会とやっていけたらなと」

――ありがとうございました。

観客はもちろん、出演した芸人たちにもさまざまな影響をもたらした模様。まさに愛と人脈の総力戦で大成功に終わった「華大どんたく」。今後、福岡の新たな風物詩となる日も近いかもしれない。

【公演概要】

「博多華丸・大吉 presents 華大どんたく supportedバイ 洋服の青山」
■開催日時:2月10日
■会場:福岡PayPayドーム
■主催:吉本興業株式会社、福岡ソフトバンクホークス株式会社
■特別協賛:洋服の青山(青山商事株式会社)
■出演者:博多華丸・大吉、秋山竜次(ロバート)、EXIT、蛙亭、かまいたち、からし蓮根、麒麟、銀シャリ、ケンドーコバヤシ、さらば青春の光、霜降り明星、ジャルジャル、陣内智則、ダイアン、タカアンドトシ、千鳥、千原ジュニア、チュートリアル、チョコレートプラネット、DJ KELLY、どぶろっく、トレンディエンジェル、ナインティナイン、中川家、南海キャンディーズ、ニューヨーク、NON STYLE、バカリズム、原口あきまさ、原西孝幸(FUJIWARA)、パンクブーブー、藤井隆、フットボールアワー、ぼる塾、見取り図、宮川大輔、ミルクボーイ、村上ショージ、メンバー、矢野・兵動、山口智充、令和ロマン、笑い飯(五十音順)

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