神戸・兵庫の文化財「岡方倶楽部」 改修前最後の一般公開 講演会や貴重な空撮写真展示も 20日から

神戸・兵庫が誇る文化財「岡方倶楽部」

神戸市兵庫区にある国登録有形文化財「岡方倶楽部(おかがたくらぶ)」で20日から24日までの5日間、一般公開と講演会が実施されます。今春始まる同建物の改修の前に、その歴史に触れてもらおうと計画されたもので、講演会には学芸員や大学教授、小説家、地域関係者らが日替わりで登場します。貴重な写真展示も同時開催されます。入館・参加無料。

【チラシ&一覧】「岡方倶楽部」一般公開と講演会 日程、時間、講演会ラインアップ詳細など

岡方倶楽部は1927(昭和2)年に竣工した3階建て。外壁にはタイルと石が張りめぐらされています。

地域の人たちがお金を出し合って財産区の集会所として建てたもので、“兵庫商人”たちの社交場でした。内装など随所に大正浪漫を映し、玄関や館内に美しい装飾が施されています。

一般社団法人 よみがえる兵庫津連絡協議会会長の高田誠司さんによると、岡方倶楽部は神戸大空襲(1945年2月~6月)の際、辺り一帯が焼け野原になった中で唯一残った建物とのこと。激動の歴史を経て、2012年のNHK大河ドラマ『平清盛』放映後、2013年からは3階が歴史資料館になり、2018年に国登録有形文化財に認定されました。

近年は同協議が会議場として使用するなどしていましたが、この2年間は閉鎖状態になっています。現在は神戸市の所有・管理のもと、今春から改修・増築が進められ、2025年度に歴史公文書館として再スタートを切る予定です。

公開講演会には、県立兵庫津ミュージアムの学芸員や神戸の大学の教授、小説家の高殿円さん、産業遺産コーディネーターの前畑洋平さんらが日替わりで登壇します。形式も、講演、公開ゼミ、討論会など日によってさまざまです。

また期間中は、昭和初期の兵庫区の空撮写真15枚も展示されます。講演会の講師も務める神戸大学大学院工学研究所講師の山口秀文さんが、院生とともに各方面から収集して拡大パネルに仕立てたもので、当時を知る貴重な機会になると言えそうです。

一般公開は、期間中連日午前10時から午後5時まで、講演会は各日午後1時30分から3時までで、24日のみ午後4時までです。講演会は70席を予定。参加無料、事前申し込み不要、出入り自由となっています。

高田さんは今後の同倶楽部を「“学びの観光”の場になる」と見通し、「神戸の『過去』から『未来』へ(歴史を)つなぐ架け橋となる5日間にしたい。ぜひお越しいただいて、色んな話をしましょう」と呼びかけました。

■岡方倶楽部 一般公開
日時:2024年3月20日(水・祝)~24日(日) 午前10時~午後5時 ※5日間
場所:岡方倶楽部(兵庫県神戸市兵庫区本町2丁目3-33)
主催:一般社団法人よみがえる兵庫津連絡協議会、兵庫津日本遺産の会
協力:兵庫県、神戸市

※参考:神戸市公式ホームページ、文化庁公式ホームページ、一般社団法人よみがえる兵庫津連絡協議会公式ホームページ

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