新NISA【成長投資枠】で個別株銘柄選びの参考にしたいETF3選

個別株の銘柄選び、何から選ぶのか迷いますよね。雑誌、SNS、YouTubeなど今は情報がたくさん溢れていて、欲しい情報がすぐに手に入る良い時代であると同時に、自分で情報の良し悪しを見分ける力も必要とされています。今回は銘柄を選ぶ前にやっておくべきこと、そして具体的な銘柄の簡単な選び方の一つの方法をお伝えします。


目的と戦略を立てる意味

投資をする際には、自分の投資目的や戦略を考えておくことが重要です。これには次の理由があります。

【時間やリソースの最適化】投資にかける時間やリソースを最適化することができます。資産を増やすことが目的なのか、将来のために資産を守ることが目的なのかを考えることが大切です。

【リスク管理の合理化】 リスク管理がしやすくなります。投資期間やリスク許容度を考慮して、適切な銘柄やポートフォリオを選択することができます。

【長期的な視野の獲得】長期的な視野を持つことができます。短期的な価格変動に左右されず、将来の成長や収益性を見据えた投資ができます。

【情報収集の効率化】必要な情報を効率的に収集することができます。特定の業界や企業に関する情報を重点的に集めることができます。

【心理的安定の獲得】市場の変動に対する心理的な安定を保つことができます。感情的な判断を防ぎ、冷静な判断ができるようになります。

銘柄選びはプロを真似てみる

次に銘柄選びです。時価総額や流動性の面で安心して取引できる銘柄を選びたいならば、人気のあるETF(上場投資信託)の上位組入れ銘柄から選んでみるのも一つの手です。ニュースや業績などで銘柄を分析することを「ファンダメンタルズ分析」といいますが、その逆のイメージです。

例えば「長期保有ができて利回りも欲しい」のであれば、財務優良で高配当な個別銘柄が候補になるでしょう。米国株であれば米ETFのHDV(シェアーズコア米国高配当株ETF)、日本株であれば日本版 HDVとも言えるiシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り ETFの組入れ銘柄をチェックするのは投資家として優位性のある行動だと考えます。

シェアーズコア米国高配当株ETF(HDV)

HDVは、モーニングスター配当フォーカス指数に連動した投資成果を目指すETFです。米国のモーニングスター社が選んだ高配当で財務健全性が高い銘柄が集まっているのが特徴です。相対的に景気後退局面でも底堅さが期待できると見込まれるETFであり、投資信託組入れ上位銘柄であるエクソンモービルやベライゾン、アッヴィ、ジョンソンエンドジョンソン、シェブロン、メルク、コカコーラなどが入っています。これらは景気が悪い際にも需要が落ちにくそうなブランド力の高い商品を持つ銘柄であると言えます。エネルギーや生活必需品、ヘルスケアなどのセクターの割合が多いですね。

Bloombergによると直近配当利回り(税込)は3.65%(3月11日現在)とETFとしても高めで組入れ上位の銘柄も高利回りの傾向があります。ちなみにHDVの経費率は0.08%で安定感があって手数料が安いことが魅力の高配当ETFですが、個別株なら保有し続けることでのコストが省けるのも嬉しいポイントではないでしょうか。

iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り ETF

iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り ETFは、MSCIジャパン高配当利回り指数(配当込み)への連動を目指すETFです。MSCIジャパン高配当利回り指数は、日本国内の取引所に上場している大型・中型株を対象とした配当継続性や配当性向、財務体質(ROE、負債・自己資本比率、収益の変動性)等の基準を満たした企業の中から、MSCIジャパン指数の配当利回りの130%を超える利回りを持つ銘柄を構成銘柄として算出される時価総額加重平均型の指数です。

投資信託組入れ上位銘柄は東京海上ホールディングス(8766)、三井物産(8031)、キヤノン(7751)、任天堂(7974)、ソフトバンク(9434)、ホンダ技研工業(7267)、伊藤忠商事(8001)などが組み込まれています。ETFの特性上、配当の継続性や財務体質がどうか配当利回りがよいかをフィルタリングしてくれているので、財務面もしっかりした銘柄に安定して利回りを取って投資したい人は組入れ銘柄から探すことは優位性がありそうです。

ETFとしては直近配当利回り(税込)は2.52%、信託報酬が年0.1900%とお高めなのはご注意ください。

東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープン

ほかにもプロの選び方を参考にできるETFとしてはたとえば国内株コア型投信好成績No.1(10年で)となっている東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンの組入れ銘柄もおおいに投資の参考になると思います。

ジャパンオーナーズは国内の株式のうち経営者が実質的に主要な株主である企業の株式を主要投資対象とするファンドであり、ファンド設定以降基準価額(税引前分配金再投資)は4倍超に上昇し、TOPIX(配当込み)を大きく上回る実績を残しています。

東京海上ジャパンオーナーズ株式オープンの強みとしてはオーナー企業の強みが発揮できる企業であるかを直接面談して調査している点です。また経営者の決定が実質的な最終方針となるので意思決定が速い傾向があることも挙げられています。

オーナー企業への投資の参考となる組入れ銘柄上位を見てみますと、ローツェ(6323)、ソフトバンクグループ(9984)、RIZAPグループ(2928)、カナモト(9678)、光通信(9435)、タカラトミー(7867)、エフピコ(7947)、サイバーエージェント(4751)なども組み込まれています。

オシレーターとトレンド分析

そして最後に、どんなに良い銘柄でも買う、手仕舞うタイミングが悪いと、自分の利益にとってはよくない銘柄となってしまいます。そのため、気になる銘柄はチャートもチェックすることを強くおすすめします。株価チャートで過去の価格の推移や取引量などのデータを用いて相場の先行きを予測する手法を「テクニカル分析」といいますが、ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析を両方活用する方が勝率は上がると思います。

テクニカル分析の中では「オシレーター」と「トレンド分析」が代表的な分析方です。オシレーターは、相場が過熱状態や過買い・過売り状態にあるかどうかを示す指標です。主なオシレーターには、RSI(Relative Strength Index)、Stochastic Oscillator、MACD(Moving Average Convergence Divergence)などがあります。オシレーターを利用して、相場が転換するタイミングを探ることができます。

トレンド分析は、相場の方向性や強弱を判断するための手法です。主なトレンド分析のツールには、移動平均線(Moving Average)、トレンドライン、チャネルなどがあります。トレンド分析では、移動平均線などの指標を使って、相場のトレンドを確認します。例えば、短期の移動平均線が長期の移動平均線を上抜いた場合には上昇トレンド、下抜いた場合には下降トレンドと判断することができます。

投資初心者の方がテクニカル分析を行う際には、これらの指標を使った基本的なパターンやルールを学ぶことが重要です。しかし、テクニカル分析はあくまで過去のデータを元にした予測であり、必ずしも将来の市場動向を正確に予測するものではありません。したがって、ファンダメンタルズ分析と併用すること、加えてリスク管理を徹底することが大切です。

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