【医学部受験】勉強しても成績が上がらない…「進学校生徒」ほどハマりやすい“落とし穴”【元医学生講師が解説】

(※画像はイメージです/PIXTA)

現役医大生時代、6年間にわたり医学部受験生を指導していた綿谷もも氏。綿谷氏は、著書『医学部受験バイブル 現役医大生からの贈り物』(監修:高梨裕介氏)にて医学部受験生を7つのタイプに分類し、医学部に合格するためのポイントを解説しています。本書より一部を抜粋し、今回は「Case2. 進学校に通っているが、成績が伸び悩んでいる」を見ていきましょう。

進学校に通っているが、成績が伸び悩んでいる

「進学校に通っていてそれなりに勉強はしているのに、成績が今一つ伸びてこない…」という受験生を見かけます。同級生の成績と自分の成績を比較し、焦りを感じているのではないでしょうか。こういったタイプの人が気をつけたいポイントを紹介します。

【ポイント①】とにかく「上滑り」に気を付ける

進学校は「勉強するのが当たり前」という環境であり、その環境に身を置くことには大きなメリットがあります。その一方で、「上滑りしやすい」というデメリットもついてきます。

同級生や先輩が「勉強ができる人ばかり」であるからこそ、通っている塾のレベルや、使っている問題集のレベルが必然的に高くなってしまうのですね。

この環境ではどうしても上滑りを起こしやすく、基礎が徹底できていない段階で応用問題演習に時間を使ってしまう人が多いです。

繰り返しになりますが、上滑りを起こしているとどんなに勉強しても成績は伸びません。勉強しているのに伸び悩んでいる教科がある場合は、まずは上滑りを疑いましょう。

【ポイント②】自分の状況を客観的に分析する

上滑りを防ぐために重要なのは、自分の状況を客観的に分析することです。分析をしないまま勉強をしようとすると、「友達が使っている参考書を真似する」「ネットで見た勉強法をそのまま取り入れる」といった上滑りを起こしやすくなります。

人によって状況は違いますし、スタートラインや得意・不得意も異なります。まずは自分の状況を分析した上で、何をしたらよいかを考えてみましょう。

【ポイント③】周りに振り回されず、やるべきことをやる

塾の卒業生に話を聞くと、「学校で医学部志望の子が使っている問題集をみると、自分は基礎ばかりやっていて大丈夫なのか不安に思うこともあった」と振り返った人がいます。その時にどうしていたのかを聞くと、「一時的には不安を感じたが、基礎ができていない段階で応用問題集に取り組むのはどう考えてもおかしいと分かったため、それ以降は自分の問題集に集中した」と回答してくれました。

進学校では、周りの声や情報が耳に入りやすく、それに振り回されることも多いかもしれません。色々な意見を聞くとは思いますが、客観的な分析をもとにやるべきことを淡々とこなしてください。

先ほど例に挙げた卒業生は全教科とも基礎問題集のみの習得で受験に臨みましたが、最終的に私立御三家の医学部に合格しています。

【執筆】綿谷 もも

医学部医学科卒。数学が大の苦手で、高3の冬に受けた模試では偏差値39を取ってしまうほど。エースアカデミーで1年間浪人し、センター試験本番で90%以上を達成、関東の難関国立医学部、難関私立医学部に合格。

医学部入学後はエースアカデミーの医学生講師として6年間受験生を指導し300人以上の医学部合格に貢献。その経験をもとに、医学部在学中に書籍『医学部受験バイブル 現役医大生からの贈り物』を執筆、出版。将来の夢は小児科医。アイドルと猫が好き。

【監修】高梨 裕介

医学部予備校エースアカデミー 塾長、医師

医師/大阪医科大学卒、初期研修修了後に創業。

中学受験経験(灘、東大寺、洛南、洛星中学に合格)。

自身の医学部受験の反省を活かし、350名以上の医学部合格者を指導。医学部合格のためのよりよい指導をより安く提供することを理念としてエースアカデミーを設立。

© 株式会社幻冬舎ゴールドオンライン