自分でやるって決めたのに…⁉子どもが「習いごとをやめたい」と言ったとき親はどうしたらいい?

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小学生の子どもが、自分から「やりたい」と始めた習いごとを「やめたい」と言ってきたら、親はなにを思い出し、どうふるまえばいいでしょうか。
子育て・心理分野を得意とするチャイルドコーチングアドバイザーの山名美穂さんに教えてもらいました。

子どもの「やる」は決意表明じゃない⁉大きな好奇心だった可能性も

小学生の子どもが、自分から希望して始めた習いごとを「やめたい」と言ってきたら…。できたら自分が決めたことは、がんばって続けてほしいと思うのが、多くの親の本音ではないでしょうか。

子どもは大人のように、先の見とおしを立てて行動することはできません。自分から「やりたい!」と言ったときの気持ちにウソはないのですが、実際に習いごとを始めたらどんな課題が出てくるのか、続けたらなにが得られるのかまでは考えられていなくても自然です。

小学生の「やりたい・やる」は強い意志や決意の表明というより、そのときの純粋な好奇心の表れかもしれません。「やる」という言葉にとらわれて、親の方が習いごとに一生懸命になりすぎないようにしましょう。

習いごとをやめても「すぐあきらめる子」にはならない

習いごとをやめさせたら「すぐあきらめる子になってしまうのでは?」と不安になるお母さんもいるでしょう。しかし、習いごとをひとつふたつやめるだけなら、そのような心配は不要と言えます。

「あきらめない心」や「チャレンジする気持ち」は、成功体験によって生まれ育まれます。では、成功体験は習いごとの継続をとおしてしか積めないのでしょうか。

お手伝いができた・宿題がいつもよりはやくできた・逆上がりができた…。日常における子どもの小さな成功やチャレンジを見逃さず、認めてあげてください。できた達成感や、親に見守られている安心感が子どものなかで育ち、子どもの自信となります。そして、より大きなチャレンジをする力と継続する力につながっていきます。

絶対に子どもに言わないで!「自分でやるって決めたんでしょ?」

本人が希望して始めた習いごとをやめたいとなれば、「自分がやるって決めたのに?」と言いたくなることもあるでしょう。しかし、それを子どもに向かって言うのは避けて欲しいです。

習いごとをやりたいと思ったのは子どもでも、実際にやらせると決めたのは親です。つまり、習いごとは「親子で決めたこと」。やる・やらないを、子どもだけで決められるものではありません。

小学生の子どもの「やりたい」を尊重して、習いごとを始めたはず。同じように「やめたい」も尊重して、いっしょに考えて決めてあげればいいだけです。

それに「あなたが自分で決めたんでしょ?」って、子どもに責任を負わせるようなニュアンスがありませんか。小学生の子どもを責める気持ちなどないはずです。誤解やすれ違いを防ぐためにも、ぐっとこらえましょう。

子どもの好奇心と気持ちを大切に、続ける・やめるをいっしょに決めよう

習いごとに限らず、子どもが親に「やりたい」「やめたい」と言えるのはいいことだと思います。せっかく始めた習いごとをやめるとなれば、親は残念な気持ちにもなります。しかし、親子関係への安心感や信頼があるからこそ「やめたい」と言えると、前向きにとらえてもいいんじゃないかと思います。

そうすれば親のこころにも余裕ができ、一段と落ち着いて子どもの気持ちに寄り添えるはず。結論を急がず、まずはゆっくりと話を聞きましょう。そして、習いごとをやめるのか・休むのかなどを、子どもといっしょに考えられるといいでしょう。学年にもよりますが、やめるとなっても「〇月まではやる」「〇級までやる」と、子ども自身が目標を立てられるとなおいいですね。

もちろん、大きなトラブルを抱えていたり、心身のダメージが大きい場合は早急に対応してください。

子どもの「やりたい」を叶えてあげたくても、習いごとを始めるときは少し慎重に

習いごとはお金も時間もかかること。子どもが小学生なら、親が担わないといけない部分も大きいです。

子どもがやりたいことは、なるべく多くやらせてあげたいですよね。しかし、小学生の習いごとへのモチベーションは、必ずしも長く保てるものではないと心得えてください。そして、小学生の習いごとが親の心身の負担になりすぎないようにも、始める前には少し慎重になれるといいでしょう。

■執筆/山名美穂…子育て・心理分野を得意とするチャイルドコーチングアドバイザー、LABプロファイル(R)プラクティショナー。子育てを楽にするメソッドを発信している。
編集/サンキュ!編集部

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