兵庫県加古川市志方町岡の名村路子さん(69)が、大病を患い未熟児で生まれた娘の闘病や子育ての様子を電子書籍としてまとめた。「本を介して誰かに元気を届けられればうれしい」と笑顔で話す。
名村さんの娘の真奈さんは、出産時に肺と心臓以外の臓器が体外に出る「腹壁破裂未熟児」として2200グラムで生まれた。医師から18歳以上は生存できないと言われたが、真奈さんは40代になり、就職や結婚もしている。本には親としての葛藤や娘の成長をつづっている。
本の執筆は未経験だったが、友人の勧めで少しずつ書き進めた。「腹壁破裂未熟児のサクセス・ストーリー」として昨年5月に出版すると、インターネット通販大手アマゾンの電子書籍サービス「キンドル」で、「福祉の売れ筋第1位」など6部門でベストセラーに選ばれた。
その後も、愛犬との思い出を描いた作品など計4冊を電子書籍化している。名村さんは「誰かに話したくなることをそのまま文章にした。読んでもらえたらきっと優しい気持ちになれると思う」と話している。 (児玉芙友)