そろそろ「6番アイアン」もキツイ… 代わりの一本を中古で考えてミタ

藤田光里もアイアンを7番にしたばかり

少し前まで、5番アイアンを「もう打てない…」と嘆くアマチュアゴルファーは多かった。しかし今や6番アイアンですら、検討材料に入る時代だ。実際に国内女子ツアーでは6番を抜く選手がちらほらいて、青木瀬令奈に至っては「アイアンは8番から」。今回は6番の代わりになる中古クラブを考えてみた。

女子プロゴルファーの傾向は7番でロフト30~32度

アイアンのストロングロフト化が顕著で、国内女子ツアーでも7番のロフト角が30度から32度という選手が半数以上というデータがある。山下美夢有、岩井千怜、西郷真央もそのひとり。グリーンの一定の場所を狙いたいのに、グリーン上でボールを止めにくい番手になりつつあるのだ。森田遥、菊地絵理香、藤田光里のアイアンは7番から。彼女たちよりも飛ばない我々アマチュアが、6番をキャディバッグから抜いてもなんら不思議ではない。藤田はそれこそつい最近6番を抜いた

菊地絵理香の14本(開幕戦で撮影)。アイアンは7番から

プランA:「ウッド型UT」にしてみよう

ウッド型のユーティリティ(以下UT)は、ミスヒットに強くボールが上がりやすい。6番アイアンの代わりとしては最適だ。先述の森田、菊地、藤田らもそうしている。まずは自分のアイアンセットのロフト角をチェック。7番アイアンと同じロフトのUTを選べば、クラブ長が長い分、6番アイアンに近い距離が打てる。

ピンはロフト角の大きいUTを積極的に展開。比較的探しやすい

森田はピン「G430ハイブリッド」(2022年)の30度を使用。ロフト角が大きいUTは数が少ないが、3万円前後で見つかるだろう。菊地はタイトリスト「816H1」(2015年)の27度を入れている。こちらは1万円台前半が相場だが、27度は超レアで見つけたら即買いをオススメする。どちらも可変スリーブ装着モデルで、距離の微調整が可能だ。

プランB:「アイアン型UT」もなんだかんだイイ

アイアン型UTはハードヒッター仕様の印象だが、ミドルアイアン代わりになる仕様もある。左がフォーティーン、右がバルド

ウッド型UTに意外と苦手意識を持っているゴルファーは少なくない。特にロフト角が大きいとフェース面が見えすぎてしまい、「どこを向いているのかわからない」「アイアンとフェアウェイウッド、どちらの打ち方がいいの?」と不安になる人が意外といる。アイアン型UTならそうした違和感を持ちにくい。

ただし、ウッド型ほど重心深度を深くしにくいため、慣性モーメント(やさしさ)に限界がある。ロフト角の大きいモデルが少ないことも問題。大手メーカーの現行品で27度以上のロフト角をラインアップしているのは、フォーティーン「HI-3」(2022年)をようやく見つけられたぐらい。中古では同じくフォーティーン「HI-877」(2016年)を発見できた。こちらは1万円台前半。

地クラブではバルド「CORSA HYBRID」(2020年)が2万円台前半、フライハイト「GXD HYBRID-i」(2022年)などが製品化されている。

プランC:「単品アイアン」に注目しよう

左がフォーティーン、右がタイトリスト。単品アイアンの中には、掘り出し物が沢山ある。地道にチェックしよう。

5番アイアンを入れていない西村優菜だが、軟鉄鍛造キャビティのアイアンセットを7番からPWまで入れて、6番はヘッドが大きめ、キャビティが深めの別モデルを入れている。番手は違うがロリー・マキロイ(北アイルランド)など米ツアーの選手も、ロフトの少ないものを別モデルにしている選手が少なくない。

中古ショップには「単品アイアンコーナー」があり、アイアンセットから外れた番手が集められている。ほとんどがセットの“両端”の番手なのだが、まれに6番や7番が紛れ込んでいる。タイトリスト「T400」(2022年)はヘッドが大きく、アイアン型UTのような中空構造。

フォーティーン「TC560 FORGED アイアン」(2018年)の6番のロフト角は26度。7番が30度前後のアイアンセットと組み合わせるとちょうど良い。3番、4番は見つけやすいが5番、6番などはレアだ。見つかったらラッキーという意気込みで探してみて欲しい。自分のアイアンと見比べて装着シャフトも選びたい。

コースや季節によって6番アイアンにするかユーティリティにするかを選ぶのも楽しい

筆者もコースや季節によって、キャディバッグの中のアイアンの本数を変えている。冬場は飛距離が出ず、ボールも上がりにくいので7番アイアンまでにして、31度もしくは28度のウッド型UTを入れる。体が動く季節になると、6番アイアンを復活させる。一度、7番アイアンを抜いて34度のUTを入れてみたが、打った瞬間にボールが上がりすぎて視界から消える感じが馴染めず、元に戻した経験がある(さらに風の影響も大きかった)。

クラブセッティングは流れが大切。ウエートフローやシャフトの特性を考慮しつつ、試行錯誤してほしい。(文・田島基晴)

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