三笘薫、伊東純也と“飛車角落ち”の森保ジャパンはしたたかな北朝鮮を攻略できるか。最大の注目は久保建英の起用法【コラム】

2024年3月14日、北中米ワールドカップのアジア2次予選、北朝鮮との連戦(3月21日、26日)に臨む日本代表のメンバー26人が発表された。週刊誌報道の影響でアジアカップを途中離脱した伊東純也、怪我の三笘薫が招集されず、いわば“飛車角落ち”の状態で今回の連戦を戦わないといけない。

森保ジャパンの最大の武器である“2本の槍”が使えないなかで、したたかな北朝鮮をどう攻略すべきか。代表合宿初日が3月18日なので、21日のホームゲームまで準備期間は短い。連係面を考えれば、復帰した長友佑都や小川航基をいきなりスタメンで使う可能性は低く、アジアカップのメンバーが先発に名を連ねるだろう。

その前提だと、2列目の構成が鍵になりそう。最大の注目は久保建英の起用法だろう。4-2-3-1システムならこれまでの起用法、実績を踏まえると右から堂安律、久保、中村敬斗が基本。ただ、右ウイングでこそ本領を発揮しそうな久保を右に回して、トップ下に南野拓実を置く手もある。

最終的にはそれぞれのコンディションが起用の決め手になりそうだが、堂安以上に縦へのドリブル突破が鋭い久保を右サイドで起用したほうがポケットを取りやすいのではないだろうか。

もちろん、北朝鮮のシステムや戦うスタンス(ベタ引きするのか、ある程度ラインを上げてくるのか)次第なところもある。北朝鮮がロングボール主体でカウンターを狙うなら、日本もハイラインにこだわらず少し引き気味の陣形から速攻を狙うパターンがあってもいい。その場合も攻撃の起点になるのは久保だろう。直近のカディス戦では身体がやや重たかった印象もあったが、キーマンなのは間違いない。

三笘や伊東がいなくても、久保がいる。それを改めて証明する意味でも、久保には北朝鮮戦で躍動してもらいたい。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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