福島県葛尾村の居酒屋「政」、13年ぶり村内で営業を再開 震災と原発事故で三春町に移転

利用客に夕食を提供する渡辺さん(左)

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の発生に伴い福島県三春町に移転していた同県葛尾村の居酒屋「政」は15日、13年ぶりに村内で営業を再開した。初日から予約で満席となり、にぎわった。

 名称を「御食事処 政」とし、村宿泊交流館みどりの里せせらぎ荘の一画に店を構えた。震災と原発事故発生後、村内初の夜に営業する飲食店として、村の交流促進に貢献する。村産ハーブ鶏を使った焼き鳥をはじめ、三春の人たちにも好評だった納豆オムレツなど約30種類のメニューをそろえる。

 村内の団体職員坂本光史さん(64)は「夜にみんなで集まれる店ができてありがたい」と述べた。

 店主の渡辺政広さん(48)は「店の中でお客さん同士のコミュニティーが生まれ、村の活性化につながってほしい」と期待した。

 開店に合わせ、せせらぎ荘での夕食の提供も再開した。営業時間は午後5時から午後9時30分まで。月曜定休。

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