コープこうべ職員 配達中に特殊詐欺の電話に対応、通報し被害防ぐ

感謝状を受けた奥城大輔さん(中央)=小野署

 特殊詐欺の被害を未然に防いだとして、兵庫県警小野署はコープこうべ協同購入センター三木職員の奥城(おくじょう)大輔さん(38)=神戸市西区=に署長感謝状を贈った。

 小野署や奥城さんによると1月23日午後2時ごろ、奥城さんが兵庫県小野市内で80代の1人暮らしの女性宅を配達で訪れ、インターホンを鳴らすと女性から慌てた様子で「家に入って。困っているので電話を代わって」と頼まれた。奥城さんが電話に出ると男の声で「何か言いたいことでもあるんか」とすごまれた。

 即座に状況をのみこめなかった奥城さんは女性に話を聞いた。電話の男は警視庁の者だと名乗り「女性名義で銀行口座がつくられ、犯罪に使われている。捜査の一環で女性に書類を送ったが、返信がない。このままでは女性の口座が凍結される」などと約1時間も電話が続いていたという。

 奥城さんは詐欺だと思い「書類が見つかり必要があれば返信します」と返事をして電話を切り、小野署に通報。被害を防いだ。

 奥城さんは配達の際、普段から組合員の相談に乗り、頼まれると電球交換を手伝うこともある。大山儀光(のりみつ)署長は「組合員の方から信頼されていたことが分かる」と感謝。奥城さんは「配達でよく知っている組合員さんが被害に遭わなくて本当に良かった」と喜んだ。(坂本 勝)

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