「基礎的なプレーは重要なんだなと」湘南MF田中聡がリバプールで躍動の遠藤航に刺激「手の届かない場所ではない」

3月11日のプレミアリーグ第28節。リバプール所属の遠藤航が、マンチェスター・シティを相手に特大のインパクトを残した。

ケビン・デ・ブライネやロドリ、ベルナルド・シウバら世界的名手からことごとくボールを奪うと、正確かつ鋭いパスで攻撃の起点に。圧巻の存在感を放ち、1-1で引き分けた一戦のチーム内MOMに選出された。

そんな遠藤が下部組織時代を含めて8年間を過ごした湘南ベルマーレで、偉大な先輩に刺激を受ける選手がいる。同じく湘南ユースからトップ昇格を果たしたMF田中聡だ。

遠藤と田中は、出身クラブ以外にも重なる部分が多い。主戦場が守備的MF、高校時代にJデビュー、キャリア序盤はCBで起用された点や、屈強なフィジカルと豊富な運動量、ボール奪取が売りのプレースタイルなど。湘南での遠藤を見ていたファンの中には、田中を「第二の遠藤航」だと期待する者もいるだろう。

遠藤が躍動したシティ戦を観た田中は、やはり衝撃を受けたようだった。

「率直に、凄いなと(笑)。守備でボールを奪うプレーはもちろん、攻撃でも積極的にボールを受けていた。遠藤選手は、改めて凄いところで戦っているなと感じます」

【PHOTO】今シーズンは「一戦必湘」。4年目の山口監督の指揮のもと湘南ベルマーレが始動
同じポジション、近似したプレースタイルなため、自分と重ねながら試合を観ていたという田中。ピッチに立つイメージをして、改めてプレミアリーグはハイレベルだと感じた。

「試合を観ながら『次はどこに出すんだろう』という予想をしてみたりはします。『俺だったら今のところで奪われてるな』という場面もありますし(笑)、自分と重ねながら観ると面白いです。遠藤選手は首を振る回数が多くて、そこは自分も意識して取り組んでいる部分。あそこまで高いレベルになっても、自分が意識している基礎的なプレーは重要なんだなと再確認しました」

世界最高峰の試合を観て、自分にはまだ足りない部分があると実感。それでも「手の届かない場所ではないと思います」と言葉に力をこめる。

「自分次第でどこへでも行けるはずなので、これからも自分に矢印を向けてやっていきたいです」

日本代表キャプテンに追いつき、追い越すために。ひたむきに取り組み、自らの技術を磨きたい。

取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

© 日本スポーツ企画出版社