右側通行は6000円…自転車にも『反則金』導入へ 静岡県でも目立つ『危険運転』 高校生の自転車事故は全国ワースト2位

自転車の交通違反に反則金を科すいわゆる「青切符」を導入する道交法改正案が閣議決定されました。静岡市の街中を走る自転車を取材し、現状と課題を探りました。

嶋田光希アナウンサー:「いま右側通行をしている自転車がいます。そして歩道に入って、人の間を縫うように走っていきます。ぶつかる危険もあって危ないです。歩道を自転車で走っています。ここは歩行者専用の歩道です」

右側通行や歩行者を無視した走行など、街中で横行している自転車の危険運転。警察庁によると、最新の統計では1年間に発生した自転車が関連する交通事故は、全国でおよそ7万件にのぼっています。死亡事故や重傷事故のうち、7割ほどは自転車側に交通違反があったと確認されています。

こうした事態に、国が動き出しました。

嶋田光希アナウンサー:「午前8時前のJR静岡駅前です。通勤通学ラッシュの時間帯ということで多くの人が自転車に乗っています。そんな私たち生活に欠かせない自転車ですが、今後、悪質な違反には『反則金』が科される見通しだということです」

政府は5日、16歳以上を対象に、自転車の交通違反に反則金を科す、いわゆる「青切符」の導入などに向けた道路交通法の改正案を閣議決定しました。この改正案、いったいどのようなものかというと。

嶋田光希アナウンサー:「右側通行をしている自転車がいます。いま左側に渡りました。車も通っていて危ないです」

右側通行は、改正案では6000円の反則金になります。

嶋田光希アナウンサー:「いま軽車両用の信号は赤なんですが、歩行者と一緒に自転車も渡っていきます」

全ての方向から歩いてくる歩行者を停止させ、その間に自動車を通行させるスクランブル交差点。ここには歩行者用の信号とは別に、軽車両用の信号があるため、自転車はこの信号に従わなければなりません。しかし自転車も歩行者と同じように、歩行者用の信号が青になると走り出してしまいます。こうした信号無視も「青切符」のルールでは6000円の反則金となります。

さらに。

嶋田光希アナウンサー:「止まれの標識があるんですが、自転車は止まる気配がありません」

「自転車止まれ」という一時停止の標識があるにも関わらず、スピードを落とす素振りもなく通行していく自転車。一時不停止には5000円の反則金が科される見通しです。静岡市内でも散見された危険な自転車の運転。全国各地では命を落としかねない事態も起きています。このような重大な事故を防ぐために導入が決まった自転車の「青切符」。

静岡県ではおととし、比較的自転車に乗る機会の多い高校生の自転車事故が全国でワースト2位になったという事実もあります。自転車を利用する人は新たな制度について、どう思っているのでしょうか。

自転車を利用する人「交通規則を遵守することは大切なことだと思うので、決められたことであれば当然守るべきかなと。青切符も今後決められていくことであれば賛成していく」

自転車を利用する人「妥当ではないかなと。自転車は歩行者に対しては非常に強い乗り物なので、やっぱりケガをさせたりすることも多いだろうし、ルールを守らないと危険だと思うので、ある程度の強制力はあった方が安全な社会になるかなと思う」

自転車を利用する人「自転車事故が多いと思っているので、(青切符導入は)抑止になるからいいのかなと思う」

今後、青切符の導入で自転車に乗る人の交通違反への意識は、変化していくのでしょうか。政府は改正案の成立を今国会で目指していくということです。

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