宿根草ガーデニングの極意&育てやすく美しい宿根草も紹介
宿根草は休眠期になると地上にある葉や茎が枯れて、根だけが地中で生き続けます。
四季折々の姿が楽しめますが、時には期待どおりに育たないことも。
今回は宿根草によくあるお悩みをQ&A形式で解決。育てやすくて美しい宿根草も、参考価格とともにご紹介します。
悩みながら育てるからこそ、得られる感動。そんな宿根草ガーデニングの極意を最後にお伝えしましょう。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
宿根草の花に関するQ&A 「花が咲かない」「花数が減ってきた」
Q1:毎年花が咲くとは限らないのはなぜ?
A1:種づくりの必要がないからです
一年草はワンシーズンだけという短い寿命の中で種づくりをするため、盛んに花を咲かせます。一方宿根草は根が枯れずに残るので、種づくりの必要はありません。
今年はがんばって咲かなくても大丈夫かな…とのんびりペースになる植物も。今年咲かなくても来年を楽しみにしながら、ゆっくりと待ってあげましょう。
Q2:年々花数が少なくなってきたらどうすればよい?
A2:株のリフレッシュが必要かも
花が小さくなった原因には、栄養不足や根詰まりが考えられます。宿根草は植えっぱなしで栽培できますが、長年まったく植え替えしなくてもよいというわけではありません。
土が硬くなって新しい根が伸びないと、養分を吸収しにくくなります。古い株を株分けしたり、土を更新して植え直したりするなど、株のリフレッシュを促しましょう。
宿根草の葉に関するQ&A 「枯れた葉はいつ取り除く」「冬の殺風景をどうにかしたい」
Q3:枯れた葉を取り除くタイミングは?
A3:すみやかに取り除くのがおすすめ
枯れた葉はどうしても見栄えが悪くなります。養分の浪費を防ぐため、または庭の美しさを優先するためには、枯れてきたらすみやかに取り除くのがおすすめ。
ただ、秋になると赤や黄色に紅葉する葉もあり、冬に茶色くなって立ち枯れた姿も風情を感じさせます。宿根草ならではの四季の移ろいを味わえるのも醍醐味と言えるでしょう。
Q4:花や葉がなくなったときに、庭が寂しくならないようにするには?
A4:一年草や花期が異なる多年草を上手に取り入れてみましょう
多年草のほとんどは開花時期が2~3カ月で、なかには数週間という短命のものも。花だけでなく葉も時期が終われば枯れてなくなってしまいます。
いつもなんらかの花が咲いている庭にしたいときは、花の時期が少しずつ違う宿根草をうまく組み合わせたり、一年草をアクセント的に植え込んだりするのがオススメです。
宿根草の育て方に関するQ&A「なぜ枯れたの?」「水や肥料は?」
Q5:1年で枯れてしまったのは何が原因?
A5:環境が合わなかったのかもしれません
宿根草は強健な性質なので野草のようなタフさをもっています。その宿根草が1年だけで枯れてしまうのは、環境が合わなかったことが原因かもしれません。
また冷涼な国では宿根草として扱われている植物であっても、日本の猛暑を乗り越えられず1年間で寿命を終えることもあります。
宿根草を植える際は、まず日当たりや土の湿り気など好む環境をよくチェックしましょう。近年の日本の暑さを考えると、できるだけ耐暑性の強い品種を選ぶのもポイントです。
Q6:水や肥料の与え方は?
A6:水やりを控えて乾燥ぎみに育てましょう
宿根草は水やりを控えて乾燥ぎみに育てましょう。土がつねに湿った状態ではヒョロヒョロと徒長するだけで、根腐れを起こすことも。
また基本的には肥料を必要としません。宿根草は何年もかけてゆっくり生長するので、多肥になると早く育ち過ぎてかえって短命になります。
宿根草は排水性が高い土壌に植え、肥料控えめで土を痩せぎみの状態にするのがコツです。
Q&Aでお悩みが解決できたところで、「宿根草ガーデニングの極意」そして、育てやすくて美しい、野趣あふれる宿根草をご紹介していきます。
「宿根草ガーデニングの極意」こっそり教えます
手間がかからないと言われる宿根草ですが、思いどおりに育たないこともあり、さまざまな悩みも生まれます。それでも多くのガーデナーから高い人気を集めているのは、宿根草ならではの魅力があるからでしょう。
カワイイ芽が出て大きく育ち、やがて花が咲いたあと静かに枯れて行くというごく自然な営み。ワンシーズンでお別れする一年草と違って、長い年月の付き合いになるので、愛着もひとしおです。
宿根草を育てるときは、成果を焦らずゆったりとした気持ちで向き合いましょう。
【宿根草ガーデニング】育てやすくて美しい!野趣あふれる宿根草おすすめ5選
最後に育てやすくて美しい宿根草を5つ、ご紹介しましょう。
我が子を育てるような気持ちで、大切にお世話をしてあげてくださいね。きっと、宿根草ガーデニングの醍醐味を実感できるはず。
プルモナリア
2月中旬から咲き始め、目が覚めるようなブルーが鮮やかなプルモナリア。耐陰性が強いのでシェードガーデンにも植えられます。
※参考価格:600~800円(3号ポット苗)
スカビオサ
スカビオサは10~30センチ程度の背丈でコンパクトな草姿。夏はいったん開花をお休みしますが、春~秋まで繰り返し咲き続けます。
※参考価格:300~500円(3号ポット苗)
カラミンサ
細い茎をしなやかに伸ばし、繊細な小花を咲かせるカラミンサ。シソ科の植物で葉からはスパイシーで爽やかな香りが漂います。
※参考価格:300~500円(3号ポット苗)
アスチルベ
アスチルベは房状にふんわりと咲く花が個性的。5~7月が開花時期で、湿り気の多い土壌を好むため、雨の多い梅雨時期でも元気に育ちます。
※参考価格:300~600円前後(3号ポット苗)
エキナセア
暑さに強く夏から晩秋まで咲き続けるエキナセア。強健な性質でほとんど病気にもかかりません。咲き開くにつれて花弁か垂れ下がる様子も楽しめます。
※参考価格:300~600円前後(3号ポット苗)
さいごに
野趣あふれる美しい花たち。みなさんのお気に入りは見つかりましたか?美しい宿根草ガーデンを、ゆったりした気持ちで育てていけたら嬉しいですね。