風邪のような症状から始まり緊急入院に 難病と診断された女性の顔の変化に驚きの声 「可哀想と捉えないで」発信した思いを聞いた

いつまでも健康で過ごしたいものですが、病はいつ襲ってくるかわかりません。もしものときどのように向き合い、過ごしていくのかが大切になってくるでしょう。

boochan(@boo._.chan)さんは、突然「後天性赤芽球癆」と診断されました。後天性赤芽球癆は、骨髄における造血幹細胞の増殖や分化の障害によって、赤血球がうまく造られなくなる病気です。

Instagramでは、病気が発覚する前後の自身の様子について発信しています。投稿には、励ましの声や同じように病を抱える人からのコメントが寄せられました。

こちらの投稿について、boochanさんに話を聞きました。

具合によって変わる顔

boochanさんは、病気により具合の悪くなったときの顔と、元気なときの顔を投稿しました。投稿は440万回再生されています(2024年3月12日時点)。
メイクをして元気な様子のboochanさん。とても素敵な笑顔です。
しかし、体調を崩し始めると、顔色が悪いと言われるように。

顔色が悪いと言われ始めた頃(@boo._.chanさんより提供)

病気によって顔色や唇の色、表情が変わってしまう様子がよくわかります。

ー具合が悪いときの顔と元気なときな顔を比べて投稿しようと思ったきっかけがあれば教えてください。
具合が悪いときの顔は、家族に送る記録用として撮影していた写真です。SNSに載せるつもりは一切なかったのですが、病気に興味をもってくださる方が思った以上に多かったので「載せちゃえ…!」とノリと勢いで投稿しました(笑)。
投稿したことにより同じ病気の方からメッセージをいただいたり、臨床検査技師として働いている方から「患者さんのために頑張りたいと思えました」と嬉しいメッセージをいただいたりと、載せてよかったと思えました。

後天性赤芽球癆の診断

ー後天性赤芽球癆と診断される前、どういった症状がありましたか?
微熱や頭痛などの風邪のような症状が始まりでした。仕事を休んでコロナやインフルエンザの検査をしましたが陰性で、処方された薬を飲んでもいまいち体調がよくなりませんでした。
それから休みの日は1日中家で寝ていることが増えました。

ー病名が分かるまでの経緯を教えてください。
体調を崩してから血液検査をする機会がありました。そのときに赤血球の数値だけが異常に低く「年明けでいいから違う病院で検査してきてね」と先生に言われ、実家帰省中に地元の病院に行きました。
その後、地元の病院から何度も電話があり「すぐに近くにある大きい病院に行ってください」と言われました。今思うとその電話のおかげで大事に至らなかったのだと思います。大きい病院に行ってからは緊急入院となり、入院中に骨髄検査などを行い、2月に後天性赤芽球癆と診断されました。

入院して輸血しているとき(@boo._.chanさんより提供)

ーご自身が難病だと分かったとき、どのようなお気持ちでしたか?
今まで大きな病気はもちろん、風邪も滅多にひかないくらいの健康体だったので実感が湧きませんでした。今後「仕事はどうすればいいんだろう」「どうやって生活していけばいいんだろう」と不安ばかりで入院中はなかなか寝られず、泣いてばかりでした。

現在の症状

ー現在はどのような治療をされていますか?また、現在の症状について教えてください。
現在は輸血や免疫抑制薬での治療を行っています。免疫抑制薬を飲むことにより、頭痛や息切れの症状は抑えられているのですが、感染症にかかりやすくなってしまうデメリットがあります。
免疫抑制薬での治療が始まってからすぐに風邪をひいてしまい、1週間寝たきりの日々を過ごしていました。

病気の公表

ー以前からSNSで旅行についてなどの発信をされていますが、病気を公表しようと思った理由を教えてください。
SNSでは大好きなディズニーや旅行のことはもちろん、ありのままの日々の出来事を綴っていたので病気を隠す理由がないと思いました。また同じように病気と向き合っている方がいるならば、私の発信で少しでも元気になってもらえたらいいなと思い公表しました。

ー難病だと分かってからまだ間もないですが、病名が分かる前と分かった後で心境に変化はありますか?
数年前に父が交通事故で亡くなり、病気になる前から「いつ何があるかわからない」というのはいつも肝に銘じていました。病気になってからは、より1分1秒を大切にして「会いたい人には会えるときに会おう」と思うようになりました。

退院したころ(@boo._.chanさんより提供)

ー「死ぬわけじゃないから頑張るしかない」と投稿にありますが、それでも前向きに考えるまで辛い時期もあったかと思います。頑張る気持ちになれるまでどんな心境でしたか?また、前向きになるきっかけはありましたか?
病気がわかったときに私よりも家族が悲しんでいました。それを見て私が泣いているわけにはいかないなと思いました。「泣いても病気は治らない」と自分に言い聞かせながら過ごすようにしています。

ーこの投稿には多くのコメントが寄せられていますがどう思われましたか?
Instagramだけでなく、TikTokでもたくさんのコメントをいただきました。そのなかで驚いたのが、病気と向き合っている人が思った以上に多かったことです。「見えないだけで皆何かと一生懸命戦っているんだ」と思ったら、すごく励みになりました。また「献血に行きます」というコメントもたくさんいただきました。私以外にもたくさんの方が献血に救われていると思うので感謝の気持ちでいっぱいです。辛くなったときはいただいたコメントを読み返して元気をもらっています。

今後の目標

ー今後治療を続けていく中での目標があれば教えてください。また、SNSでの発信ではどのようなものを届けていきたいですか?
免疫抑制薬の治療中は「なるべく人混みを避けて・人混みに行く際はマスクをして」など先生には言われているのですが、感染症対策をしながら今まで通り大好きな旅行にたくさん行きたいと思っています。要相談ですが長期での海外旅行も行きたいですね。
病気のことを「可哀想」とマイナスに捉えずに「この人病気なのにこんなにアクティブなんだ!」と思ってもらえたら嬉しいです(笑)。

boochanさんは2024年5月に結婚式を挙げる予定だ(@boo._.chanさんより提供)

病気のことをマイナスに捉えず、前を向いて進んでいる姿が素敵ですね。boochanさんの発信に元気をもらっているという人も多いことでしょう。

【参考資料】
難病情報センター

ほ・とせなNEWS編集部

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