旧ポンプ所や旧鎌倉図書館など、神奈川県内は5件 国有形文化財の登録答申

旧県営湘南水道鎌倉加圧ポンプ所の外観(県教育委員会提供)

 国の文化審議会は15日、国登録有形文化財(建造物)に神奈川県鎌倉市長谷の「旧県営湘南水道鎌倉加圧ポンプ所」など5件(3カ所)を登録するよう盛山正仁文部科学相に答申した。登録されると、県内の同文化財(建造物)は332件(172カ所)となる。

 県教育委員会によると、同加圧ポンプ所は鉄筋コンクリート造平屋建てで、スクラッチタイル貼りの外壁に縦長窓と単窓を並べたシンプルな造りが特徴的。戦前の県営水道事業を伝える希少な遺構で、1936年に建築され、61年に加圧ポンプ所としての機能を廃止した。66年からは同市の体育館として活用され、後に民間企業に売却。現在、湘南地区唯一の酒蔵が飲食店を経営している。

 同市御成町の「旧鎌倉図書館」は36年に建築された。緑青(ろくしょう)色のスクラッチタイル貼りで、切り妻屋根に妻飾りが付いている和洋折衷のデザイン。74年から市分庁舎として活用され、2023年には市の学童施設に生まれ変わった。

 このほか、横浜港の北西の丘陵にあり、1899年以降に建築された近代和風住宅「旧川本家住宅主屋」、「同住宅内蔵」、「同住宅表門および石垣」(横浜市西区西戸部町)が答申された。

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