非業の死を遂げた高野長英ゆかりの建物4件が国登録有形文化財に 名誉回復に尽力した一族の古稀祝って建てられた座敷など 明治後期や昭和前期の近代和風建築 岩手・奥州市

岩手県奥州市にある医者で蘭学者の高野長英ゆかりの住宅や倉庫合わせて4件が新たに国の登録有形文化財に登録されることになりました。

奥州市水沢にある旧高野家住宅の「古希庵(こきあん)」と「新座敷」、「板倉」、「瑞皐文庫(ずいこうぶんこ、瑞皐は高野長英の号)」は、それぞれ明治時代の後期と昭和の前期に建設された近代の和風建築が特徴です。
このうち「古稀庵」は蛮社の獄で捕らえられた後、非業の死を遂げた医者で蘭学者の高野長英の名誉回復に尽力した、高野家の13代長運(ちょううん)の古稀を祝って1931年(昭和6年)に建てられたものです。

座敷には鷹と松の彫刻をあしらった欄間が配置されるなど、自由な発想で工夫された近代和風の一般住宅として歴史的価値があるとされています。
今回の4件を含め、岩手県内の登録有形文化財は106件となります。

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