会社で「私語」がやまない先輩。巻き添えで評価が落ちるのではと心配です…。

私語が多いことで評価が下がったり減給されたりすることはある?

業務中の私語が多く、これにより「仕事をしていない」と判断された場合、職場や上司によっては評価が下がってしまうこともあるでしょう。なお、その会話に巻き込まれてしまった人に関しても、同じように扱われてしまう可能性はゼロではありません。

また、会話などにより仕事をしていないと判断されてしまうと、評価が下がるだけでなく、賃金が支払われない可能性もあります。

なぜなら、民法第六百二十四条で「労働者は、その約した労働を終わった後でなければ、報酬を請求することができない。」と定められているからです。これを根拠に、賃金を「働いたら支払う」「働かなければ支払わない」という考え方を「ノーワーク・ノーペイの原則」といいます。

ノーワーク・ノーペイの原則が適用されるケースとされないケース

企業は、労働者が働いていない時間には賃金を支払う必要はありませんが、すべての状況でノーワーク・ノーペイの原則が適用されるわけではありません。ノーワーク・ノーペイの原則が適用されるケース、されないケースの例は表1の通りです。

表1

※筆者作成

ノーワーク・ノーペイの原則が適用されるか否かの基準は「働けない原因がどこにあるのか」です。

例えば、遅刻や早退など「労働者に責任がある」場合や、災害など「労働者にも使用者にも責任がない」場合には、ノーワーク・ノーペイが適用される可能性が高いでしょう。

一方、会社で使用するシステムが壊れて仕事ができないため、自宅待機や休業などを命じられた場合には、企業側の責任となるため、ノーワーク・ノーペイは適用されません。

つまり、私語が多く仕事をしていないと判断された場合は、ノーワーク・ノーペイが適用され、賃金が支払われない可能性があるといえるでしょう。

業務に集中できない場合は速やかに上司へ相談を

会社で先輩の私語に付き合ってしまうと、その先輩だけでなく、自分の評価まで落ちてしまう可能性があります。

また、評価だけでなく「ノーワーク・ノーペイの原則」に基づき、賃金が支払われない可能性もゼロではありません。もし私語などで業務に集中できない場合は、速やかに上司に相談するなどの対応をとりましょう。

出典

e-Gov法令検索 明治二十九年法律第八十九号 民法 第六百二十四条

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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