ニコンサロン年度賞「第48回伊奈信男賞」「第25回三木淳賞」の受賞作品展開催

By CAPA編集部

第48回「伊奈信男賞」の受賞作品展が2024年3月19日より、第25回「三木淳賞」の受賞作品展が2024年4月2日より開催される。

第48回 (2023年度) 伊奈信男賞 : ERIC写真展「東京超深度掘削坑」より

ニコンサロンの年度賞である第48回「伊奈信男賞」と、第25回「三木淳賞」が決まった。2023年の1年間に開かれた写真展が対象となる。

伊奈信男賞はERIC写真展「東京超深度掘削坑」

伊奈信男賞はERIC写真展「東京超深度掘削坑」が選ばれた。ERICさんは1976年、香港生まれ。1997年に来日してから写真を学んだ。以来、混沌とした都市の風景をスナップで切り取ってきた。

本展では20年ぶりに東京を被写体にしている。すれ違いざまに撮影する手法から、ストリートスナップを装ったポートレートを混在させた。「エリックが被写体と一緒にストリートフォトを作ることで、東京を深く堀り下げていった。リアルとは、スナップとは何かを問われる作品だ」と選考委員の藤岡亜弥さんは評した。

三木淳賞は吉江淳写真展「出口の町」

三木淳賞は新進作家を対象とし、吉江淳写真展「出口の町」に贈られる。生まれ育った関東の郊外が被写体で、一見、変哲のない風景が並ぶ。選考委員の湊千尋さんは、「かつて印象派の画家がパリ郊外の何もない土地に出掛けて行ったことを想起させる。“地元” に含まれる森羅万象を受け入れて描く、都市文明の風景を高く評価したい」と話す。

第25回 (2023年度) 三木淳賞 : 吉江淳写真展「出口の町」より

第48回 (2023年度) 伊奈信男賞 : ERIC写真展「東京超深度掘削坑」

会期 2024年3月19日 (火) ~4月1日 (月)
会場 ニコンサロン
住所 東京都新宿区西新宿1-6-1 新宿エルタワー28F ニコンプラザ東京内
時間 10:30~18:30 (最終日は15:00まで)
休館日 日曜
入場料 無料
問い合わせ ニコンサロン (TEL 0570-02-8080)

第25回 (2023年度) 三木淳賞 : 吉江淳写真展「出口の町」

会期 2024年4月2日 (火) ~15日 (月)
会場 ニコンサロン
住所 東京都新宿区西新宿1-6-1 新宿エルタワー28F ニコンプラザ東京内
時間 10:30~18:30 (最終日は15:00まで)
休館日 日曜
入場料 無料
問い合わせ ニコンサロン (TEL 0570-02-8080)

ERIC (エリック)

1976年、香港生まれ 1997年に来日し、西村カメラで写真を学ぶ。2001年「蓄積と未来」でコニカフォトプレミオ大賞受賞後、2002年「一日と永遠」で第19回写真ひとつぼ展グランプリ、2004年「every where」で第2回ビジュアルアーツフォトアワード大賞、2009年「中国好運 / GOOD LUCK CHINA」で第9回さがみはら写真新人奨励賞など受賞多数。主な写真集に『everywhere』『中国好運』『Look at this people』『EYE OF THE VORTEX』『GOOD LUCK HONG KONG』『WE LOVE HONG KONG』『東京超深度掘削坑』。
→ WEBサイト

吉江 淳 (Atsushi Yoshie)

1973年、群馬県太田市生まれ。地元を中心に写真を撮り続けている。主な写真展に「ヒバリのいるところ」「Riverland」「HOMETOWN」「地方都市」「遠くに山が見える」「地方都市」「川世界」「HOME/TOWN」「PARADISE TEMPLE」「出口の町」など。写真集に『地方都市』『川世界』。
→ WEBサイト

〈文〉市井康延

© 株式会社ワン・パブリッシング