民間資産の社会貢献促す 「公益信託」拡充へ法案

 企業や個人が保有資産を社会に役立てる「公益信託」制度を広げるため、政府が今国会で100年ぶりの法整備を目指している。民間資産を社会貢献に生かす有効手段とされ、税制優遇も受けられる仕組みだ。ただ現行制度は制約が多く、使い勝手の悪さが指摘される。このため基準を明確化し、利用拡充を促す。

 信託協会によると、昨年3月末時点の公益信託の受託件数は385件、財産総額554億円。類似の公益法人制度に比べて利用が少ないという。

 法相の諮問機関、法制審議会は19年に公益信託法改正を答申。信託事業はこれまで奨学金など金銭助成が中心だったが、美術品の公開、不動産の学生寮運営のように幅の広い仕組みを提起した。

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