中国の団体旅行禁止令がカナダの観光戦略に損害―仏メディア

仏RFIの中国語版サイトは12日、「中国の団体旅行禁止令がカナダの観光戦略に損害」とする記事を掲載した。写真はバンクーバー国際空港。

仏RFIの中国語版サイトは12日、「中国の団体旅行禁止令がカナダの観光戦略に損害」とする記事を掲載した。

記事によると、カナダ観光局は報告書で、同国の観光収益がコロナ禍前の2019年の水準に回復するのは2025年とし、その原因の一つとしてアジアからの観光客の回復が遅れていることを挙げた。

旅行ニュースサイトのSkiftは、中国政府によるカナダへの団体旅行禁止が原因だとし、「カナダが中国との関係を改善できれば、観光業は大きな後押しを受ける可能性がある」と指摘した。

カナダ政府は昨年、国内の観光資源への3年間で1億800万カナダドル(約117億7200万円)の拠出や国際広報への毎年9650万カナダドル(約105億1850万円)の拠出などを盛り込んだ観光成長新戦略を発表した。

カナダ観光局のデータによると、19年まではカナダを訪れる中国人観光客は年平均10%増加し、19年には中国から70万8000人超が訪れ、1日当たり約1300カナダドル(約14万1700円)を消費していた。

中国は昨年8月までに日本、韓国、米国、オーストラリア、欧州諸国など計138カ国への団体旅行を解禁したが、在カナダ中国大使館は、反中国的な姿勢を理由に団体旅行解禁の対象からカナダを除外したと発表した。

Skiftによると、カナダ観光局のデータ・分析部門最高責任者、メーガン・フェリグノ氏は「われわれは現在、中国の団体旅行をマーケティングしておらず、代わりに中国の個人旅行者に焦点を当てている」とコメントした。(翻訳・編集/柳川)

© 株式会社 Record China