サンマの全ゲノム情報読み取り、北里大学など研究推進を後押し

国立遺伝学研究所の工樂樹洋教授、北里大学海洋生命科学部の福田和也助教、理化学研究所生命機能科学研究センターの門田満隆技師、アクアマリンふくしまの山内信弥上席技師らの研究グループは、サンマの全ゲノム情報読み取りに成功し、インターネット上に公開した。

北里大学によると、研究グループは福島県いわき市のアクアマリンふくしまで人工ふ化させ、育てたサンマの成魚からDNAの断片情報を取得、数千万塩基から成る染色体のDNA配列を再構築した。

サンマは秋の味覚として古くから日本人に親しまれてきたが、最近は漁獲量の減少で価格が高騰している。もともと漁獲量が比較的安定し、価格が安かったことから、生物学的な研究があまり進んでいなかった。

そこで、研究グループは高い専門性を持つ技術者や研究者が分野横断して協力するとともに、サンマの継代飼育、展示を世界で唯一成功させたアクアマリンふくしまの技術者を加えて2022年5月の研究着手から短期間で成果を上げた。

研究グループはインターネット上にゲノム情報を公開することでサンマの研究に拍車がかかることを期待している。

論文情報:

【DNA Research】Chromosomal DNA sequences of the Pacific saury genome: versatile resources for fishery science and comparative biology

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