HARMAN Phoenix 200 実写レビュー! 個性派フィルムで楽しむ今どきの銀塩写真

By 藤井智弘

蔵CURAからハーマンのカラーネガフィルム「Phoenix 200」が発売された。ちまたには映画用フィルムから不思議な発色をするフィルムまで、個性派フィルムが多数そろう。今どきの銀塩写真はフィルムをチョイスして楽しみたい。

HARMAN Phoenix 200 実写レビュー

イギリスのハーマンから、アナログ感覚あふれるフィルムが登場した。感度はISO200。ラチチュードは広く、ISO100からISO400の範囲で使用可能とのこと。フィルムのベース面も乳剤面も黄色味が強く、個性的なフィルムであることを感じさせる。

現像したネガは、現像前とは反対に紫色だ。ここではネガをデジタルカメラで複写し、SILKYPIXのネガフィルム反転ツールを使ってデータ化した。結果は暖色系が強く、日中の撮影でも夕方のような印象になる。コントラストもやや高い。そして粒子が目立つのも特徴。ザラっとした粒状感がデジタル写真とは異なる、アナログらしい味わいを感じた。主にスナップやポートレートで楽しめそうだ。

蔵CURAセレクション HARMAN Phoenix 200

朱色に近い、鮮やかなオレンジのパッケージとパトローネが目を引く。そこには製品名と同じPhoenix (不死鳥) が描かれている。店頭に置かれたら目立ちそうだ。乳剤を含め、すべてイギリスのハーマンの工場で製造されている。

2023年12月2日発売 参考価格 2,585円 (36枚撮り)

DXコードで感度を自動セット

DXコードに対応し、カメラもDXコード対応なら、フィルムを装填すると自動で感度がISO200にセットされる。ISO100~400で使用できるが、安定した仕上がりには感度の固定がおすすめ。

暖色系の色彩と粒子の粗さが印象的

衣料品店のショーウインドー。実際より暖色系がとても強い仕上がりになった。中間調は出ているものの、全体的にコントラストはやや高め。また粒子が目立ち、ザラっとした雰囲気もある。荒々しい表現にも似合いそうだ。

ニコン F3 フォクトレンダー NOKTON 55mm F1.2 SL IIs 絞りF1.2 1/1000秒 HARMAN Phoenix 200
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光を感じさせる逆光描写がイイ

逆光で撮影。画面右下がやや白っぽいが、これはレンズのフレアではなく、フィルム内で光が反射して発生するハレーションだ。空に見える粗い粒子とハレーションのおかげで、より光を感じさせる仕上がりになった。

ニコン F3 Ai Nikkor 28mm f/2.8S 絞りF8 1/500秒 HARMAN Phoenix 200

後編では藤井カメラマンおすすめの個性派フィルムを紹介します。

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