奥智哉×青木崇高『十角館の殺人』メイキング&新場面写真公開 ミステリ作家のコメントも

3月22日10時よりHuluにて全5話一挙独占配信されるHuluオリジナル『十角館の殺人』のメイキング写真と新場面写真が公開され、あわせてミステリ作家ら著名人の絶賛コメントが到着した。

本作は、2023年10月に発表されたタイム誌が選ぶ「史上最高のミステリー&スリラー本」オールタイム・ベスト100に選出された綾辻行人の同名小説を実写映像化するミステリー。舞台は1980年代、十角形の奇妙な外観を持つ館“十角館”が存在する角島(つのじま)に訪れた大学のミステリ研究会メンバーと、海を隔てた“本土”で死者からの手紙を受け取った元ミス研メンバーの江南孝明がミステリー好きの島田潔と共に手紙の謎を追うという、2つの物語で構成される。

本作が初のドラマ主演となる奥智哉が江南孝明を演じ、青木崇高が島田潔役を担当する。監督を務めるのは、『殺人分析班』シリーズ(WOWOW)、『相棒』(テレビ朝日系)などの内片輝。『半沢直樹』(TBS系)、『おちょやん』(NHK総合)などの八津弘幸が脚本を手がける。

公開されたメイキング写真では、撮影中の内片監督、江南役の奥、島田役の青木の3人の姿が収められている。また。江南と島田バディが謎を追う姿を捉えた新場面写真も公開された。

内片監督は最初に原作を読んだ時のことを振り返り、「映像化するためではなく、純粋に小説として楽しみました。のちに仮に映像作品の原作として考え始めた時は、文章で書かれたことで成立するトリックゆえ、やはり簡単に映像化はできないと思った」とコメント。そこから20年の歳月を経て、ついに映像化に辿り着いた内片監督。「原作の設定をきちんと活かすことと、キャスティングや演出の工夫により映像化できるのでは」と、より確信に近いものに変わったと明かした。そして、キャスティングにもこだわった内片監督は、“本土”で絶妙な掛け合いを見せるバディを演じた奥と青木について、「奥君は物怖じしないところがあるのと同時に、年相応に悩んでいる部分も現場で見せてくれたんです。奥君の個性が反映された江南のキャラクターが、純粋な大学生っぽくて大好きです」と話し、過去作で何度もタッグを組んだことがある青木については、「島田は好奇心旺盛で子供のまま大人になったような人物。憎めないキャラだけど、ある時に見せる鋭い表情できちんと大人になる。 青木君のおかげで、島田というキャラクターがいいバランスで走ってくれた」と振り返った。

さらに本作に挑む上で一番こだわったことを尋ねられると、「原作には文章表現ならではの面白さがある」と話しつつ、「原作の大事なところをリスペクトしつつ、映像作品として原作同様に面白がれるよう、キャスト・スタッフと大切に丁寧に作り上げた」と明かした。「原作を読んだことのある方も、そうでない方も、楽しめると思います」と内片監督は自信をのぞかせた。

あわせて、本作を一足早く鑑賞したミステリ作家や著名人からコメントが到着。有栖川有栖、京極夏彦、辻村深月、法月綸太郎ら、ミステリー界を代表する作家や著名人から賞賛の声が寄せられている。

【ミステリ作家・著名人コメント】
●青崎有吾
おい!!!
原作完全再現じゃねーか!!!!! 国内ミステリ史上、ここまで原作愛に満ちた映像化があっただろうか。
忠実なストーリーと「館」の造形、過剰な演出を削いだ舞台のような撮り方、そして何よりシガレット。
この制作陣でよかった、と心から思えるドラマである。トリックのほうも完全再現。
十角館「初訪問」となる人々が本作をどう観賞し、どう驚くのか。感想をあさる日々になりそうだ。

●朝霧カフカ
日本が生んだ最高最強のミステリ、「十角館の殺人」が映像化!
えっ、アレどうやって映像化するの??
ああー。あああー! こうやるのかああー!!
すごい、すごすぎる!!! そして改めて。
十角館の殺人、ほんとうに面白い。
見たあとしばらく、もとの世界に戻れない。
原作未読のかたも既読のかたも、ぜひ。

●有栖川有栖
舞台化や漫画化はどうにかクリアできても、〈映像化は不可能〉とされてきた里程標的名作ミステリのドラマ化がこんな形 (原作に忠実な真正面からの突破!) で実現するとは。
あまりにも大胆にして繊細なやり方で達成された十角館攻略。そして、あまりにも誠実。

●五十嵐律人
“映像化不可能”と言われ続けてきた不朽の名作。情報解禁時は半信半疑でしたが、冒頭の映像を見ただけで興奮と期待が一気に込み上げてきました。
見逃し厳禁。ネタバレ厳禁。全てのミステリファンは、十角館との再会に胸を膨らませながら配信開始日を心待ちにしましょう。

●京極夏彦
小説を「映像化」したのではなく、ミステリを他媒体に「翻案」しようとした結果なのでしょう。
僕たちの十角館が、ちゃんと成立しています。

●辻村深月
十角館に行ってみたい。十角形のカップでコーヒーを飲んで、
あそこで合宿して小説を書きたい(殺されたくはないですが…)。
『十角館の殺人』を読んだ誰しも一度くらいは考えたことがある野望だと思うのですが、
映像の中にあの建物が、あのカップがあることの感動は痺れるほどでした。
まるで自分が十角館で過ごしたかのような濃密な映像体験。
あの小説を一体どうやって!?と少しでも気になる方は必見だと思います。

●法月綸太郞
謎解きのツボをきっちり押さえた迷いのない構成から、原作に対する敬意と信頼がひしひしと伝わってくる。
映像版の推しポイントは、天才建築家・中村青司の存在感がアップしていること――。
結末を知っているはずなのにクライマックスでは思わず息を呑み、しばらく画面から目が離せなかった。
初見だったら完全に石化していたかもしれない。

●吉田直樹(ファイナルファンタジーXIV プロデューサー兼ディレクター、ファイナルファンタジーXVI プロデューサー)
「不可能」なのに実写化され消える作品は多い。またなのか?という考えが頭を過る。
しかし――僕の答えはNOだ。原作を7回通読した僕が言うのだから間違いはない。推理小説(ミステリ)マニアを自称する諸賢なればこそ、気づけるはずだ――この映像作品が、原作の凄さを、いかに映像として体感してもらうためだけに作られたのか、ということに。

(文=リアルサウンド編集部)

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