開幕直前に大物FA投手スネル巡り争奪戦? ヤンキース、ドジャース、アストロズが関心か「エンジェルスはオーナーが認めない」とエ軍メディア

今オフにサンディエゴ・パドレスからFAとなったブレイク・スネル投手の周辺が、MLB開幕直前の段階で慌ただしくなってきた。2023年のサイ・ヤング賞を受賞したスネルは、オフシーズンの目玉として各球団から関心を集めたものの、複数年2億ドル(約290億円)という条件を求めたため、3月中旬になっても移籍先が決まっていない。

しかし、一向に契約が決まらないスネル側が条件を緩和。オプトアウト付きの短期契約を受け入れる意向を示した。これによって各球団はサイ・ヤング賞左腕との契約を再考し始めた。

移籍先の最有力と言われていたのはロサンゼルス・エンジェルスだった。ペリー・ミナシアンGMはスネルとの契約を目指していたが、しかしオーナーのアート・モレノが投手との大型契約を拒否。エンジェルス専門メディア『Halos Today』は、「投手陣をアップグレードしたいエンジェルスは、スネルを最大のターゲットにしている。しかしそこに大きな障害が立ちはだかった。それはオーナーのモレノだ」と記した。

米メディア『The Athletic』が「ミナシアンGMは冬の間、モレノに対してスネルと契約する許可を求めていたが、オーナーは依然として拒否。いまのところ関心がない」と伝えたためで、『Halos Today』は、「モレノはスネルに興味がないようだ。他の球団も動き始めており、もしエンジェルスが契約するには迅速に対応する必要がある」と報じている。
エンジェルス以外では、23年のサイ・ヤング賞に輝いたエースのゲリット・コールの故障が判明したニューヨーク・ヤンキースもスネルに関心を示している。キャンプ中に腕に違和感を訴えたコールはロサンゼルスでMRI検査を実施。大谷翔平の右肘の手術を執刀した権威のニール・エラトロッシュ医師による診察を受けた結果、手術を伴うほどの重症ではなかったが、1~2か月の離脱が濃厚となったためだ。ヤンキースはスネルとともに、同じく契約先が決まっていないジョーダン・モンゴメリーとの契約も検討していくという。

大谷や山本由伸が所属するドジャースもスネルの争奪戦に加わりそうだ。『MLB Network』のハロルド・レイノルズ記者と、『New York Post』紙のジョン・ヘイマン記者が3月15日にスネルの移籍情報に触れ、いずれも「ドジャースとの契約を完全に排除することができない」と見解を示した。

また、ヒューストン・アストロズのディナ・ブラウンGMは『The Athletic』の取材に対して、「何度も言っているように、我々は勝てる投手の獲得に関してつねにアクセルを踏んでいる。スネルが市場にいる限り、つねに最新の情報を問い合わせている」と語った。アストロズはジャスティン・バーランダー投手が肩の負傷から回復途中にあるため、投手を補強する可能性があるようだ。

開幕を目前にしたタイミングで、にわかにスネルの争奪戦が勃発。はたしてサイ・ヤング賞の左腕をどの球団が射止めるのだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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