保護者の教材費、自身の口座に「処理が間に合わず隠すしかないと…」不適切会計処理 停職3カ月の小学校職員ら2人処分 鳥取県教委

職員の懲戒処分を受けて謝罪する林憲彰次長(左)ら=鳥取市東町1丁目、鳥取県庁

 鳥取県教育委員会は16日、学校が保護者から徴収した現金を自身の個人口座に移したとして、日南町立日南小学校の男性事務副主幹(50)を停職3カ月の懲戒処分にしたと発表した。処分は同日付。

 男性副主幹は勤務していた米子市立福米西小学校で2022年3~5月、保護者から徴収した教材費をまとめた学校の口座から自身の口座に現金を移し、引き出した。現金は業者に支払い、滞納もあった。23年4月に日南小に異動後、福米西小の事務職員が口座の残高が少ないことに気付き、学校側の調査で不適切な事務処理が発覚した。

 県教委によると、男性副主幹は21年度末の決算処理で、学校の教材費支払い用口座の残金をゼロにしなければならないと思い、現金を自身の口座に移した。聞き取りに「処理が年度末までに間に合わず隠すしかないと思った」と説明したという。不足分や個人口座に残した約11万円は返金し、県教委は現金の私的流用はないとみている。

 ほかに、運転中に速度超過の道交法違反をした鳥取市立浜坂小の男性教諭(26)も16日付で戒告処分とした。

 二つの処分で、林憲彰次長が県庁で記者会見し「教育そのものに対する信頼を損なう行為で、心よりおわびする」と謝罪した。

© 山陰中央新報社