村西とおる監督もAV新法改正運動に参戦 本番撮影禁止危機に「危機感をもって」 女優ら演説会で涙の訴え

Netflix(ネットフリックス)の人気ドラマシリーズ「全裸監督」のモデルになったAV監督の村西とおる氏(75)が16日、都内で演説イベントを行い、AV出演被害防止・救済法(AV新法)改正を求める署名活動への協力を訴えた。

村西氏は、セクシー女優や業界関係者でつくる「AV産業の適正化を考える会」に賛同。渋谷駅前で、1988年(昭和63)の「全日本ナイス党」結党以来の約35年ぶりという街頭演説に立った後、セクシー女優ら約150人が参加したデモ隊を激励した。演説イベントでは200人を前に「このままの状態でございますと、我々AV業界が無くなってしまうという危機感を持っております」と語気を強めた。

2022年6月に施行されたAV新法は、24年6月に改正時期を迎える。同法をつくった関係議員らが「AVは表現の自由の問題がいろいろあるから認めるとして、リアルなセックスも禁止しようとしている。本番行為禁止の法律を出そうとしている」と指摘し、撮影での本番行為禁止の可能性に触れた。

村西氏は「私たちは危機感をもって、これに立ち向かう。表現の自由と、職業選択の自由、女優の生き方を阻害するような法律はやめると同時に、リアルなセックスを禁止しようとする法律の提案を阻止する」と強調した。

セクシー女優の佐々木咲和(さわ、32)は「今、全く仕事がない状態。4カ月仕事がない。AV新法がある方がメンタルに来る」と、出演者を守るはずの法律が支障になっていると主張。23年末に〝あと3年半〟と現役生活を区切ったといい「AV新法が変わるなら、私は女優を続けていきたい。40になっても50になっても続けていきたい。自らこの世界に入ったので、大好きな世界なんです。自ら望んで入っている。そういう子もいるってわかってほしい。私たち業界の声って、何も入っていない」と号泣した。

元セクシー女優で、タレントの範田紗々(38)は「私、引退作でやめたくないって泣いているほど、好きな業界で…」と目を潤ませた。「お世話になった人たちが困っているのを見て、何とかできないかと思って駆けつけました」と、涙ながらに共闘を宣言した。

(よろず~ニュース・杉田 康人)

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