北陸新幹線で輸送、福井の特産品を首都圏に 鮮魚や地酒に買い物客ら驚き、越谷のイオンなどで限定販売

新幹線で運ばれてきた鮮魚を手に取る買い物客ら=16日午後3時50分ごろ、越谷市のイオンレイクタウン

 イオンリテールは16日、開催中の「福井・北陸フェア」で、北陸新幹線の車両に福井県の敦賀港で水揚げされた鮮魚や地酒などを積み込み、首都圏の店舗で販売する企画を実施した。“貨客混載”で運ばれた新鮮な特産品は、即日販売され人気を集めた。

 即日販売した商品は、敦賀港で水揚げされたウマヅラハギやヒラメ、ホウボウ、同県永平寺町の酒蔵、吉田酒造の日本酒「白龍然」など。同港で水揚げされた魚は16日の朝に締めた新鮮な魚で、白龍然は同日未明に絞り、ろ過などをせずにそのまま瓶詰めした日本酒。いずれも金沢駅から同日に北陸新幹線で輸送し、東京駅で降ろしてトラックで店舗まで運んだ。

 北陸新幹線の延伸に合わせて実施した、16日限定の取り組み。同フェアは関東や北陸信越など270店舗で開催され、うち埼玉県越谷市のイオンレイクタウンと東京都品川区のイオンスタイル品川シーサイド限定で、新幹線輸送された商品を販売した。

 商品が届くと、多くの客が集まり買い物かごに入れていた。地酒と魚を購入した東京都文京区の保田貴子さん(51)は「偶然立ち寄ったが、新幹線で今日届いたと聞いて驚いた」と話す。「毎年家族で福井にカニを食べに行っている。今までは(滋賀県の)米原駅で乗り換えて向かっていたが、東京から一本で行きやすくなるのはうれしい」と笑顔を見せた。

 同社北関東カンパニー食品部水産グループの池田大実マーチャンダイザーは「朝締め鮮魚は味や食感、色などが違う。そこを楽しんでもらって、(北陸地方の)復興の一助にもなれば」と語った。

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