決戦控え藤井棋王と伊藤七段が検分 駒の感触など確認 日光で棋王戦第4局へ

検分に臨む藤井棋王(手前左)と伊藤七段(同右)=16日午後4時、日光市鬼怒川温泉大原

 日光市のホテルで行われる将棋の第49期棋王戦コナミグループ杯5番勝負第4局を翌日に控えた16日、棋王の藤井聡太(ふじいそうた)八冠(21)と挑戦者の伊藤匠(いとうたくみ)七段(21)が検分に臨んだ。2人は対局室の様子や駒の感触などを確認した。

 定刻の午後4時より少し早く始まり、2人は2種類の駒の中から、対局に使用する物を選んだ。室内の温度や大きな窓から入る光、照明の具合なども確かめ、10分ほどで終了した。

 昨年の棋王戦では、同時開催された「とちぎ将棋まつり」に参加し、指導対局を行った伊藤七段。「対局者として戻って来られるとは思わなかった。栃木県のファンの熱意に内容で応えたい」と意気込んだ。

 2人は同日午後、東武鉄道の特急「スペーシアX」で市内入り。大の鉄道ファンとして知られる藤井棋王は「洗練されたデザインで、乗り心地も快適だった」と笑顔を見せた。宇都宮市と芳賀町を結ぶ次世代型路面電車(LRT)にも触れ「新しく開業したのは画期的。ぜひ乗ってみたい」と話した。

 揮毫(きごう)も行われ、藤井棋王は「大志」、伊藤七段は「克己」などとしたためた。

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