夢二の世界を堪能 初の週末、にぎわい マルチな才能にファン感心

夢二の多才さを伝える作品に見入る来館者=高岡市美術館

  ●高岡市美術館で開催中

 大正ロマンを代表する画家、竹久夢二(1884~1934年)の回顧展「生誕140年 竹久夢二のすべて 画家は詩人でデザイナー」(高岡市美術館、富山新聞社、北國新聞社、チューリップテレビでつくる実行委員会主催)は16日、初の週末を迎え、訪れた多くのファンが作品に見入り、「マルチクリエイター夢二」の世界を堪能した。

 回顧展は、夢二と親交があった実業家・河村幸次郎氏(1901~1994年)が収集した作品約200点をテーマごとに全6章構成で紹介。会場には一世を風靡した美人画「夢二式美人」や雑誌の挿絵、楽譜の表紙デザインなど幅広いジャンルが並び、多才な夢二の功績を分かりやすく伝えている。

 高岡市から訪れた浅名美和子さん(48)は「女性の表情や着物の柄が美しかった」と満足げ。夢二が絵画以外を手掛けていたことを知らなかったとし「いろいろできるのは才能があった証拠だ」と納得した様子で話した。

 光瀬亜矢子さん(54)=富山市=は「柔らかく繊細なタッチで描かれた女性や大正時代のデザインはレトロブームの現代でも人気が出るのではないか」と感心した。射水市の荒木勇也さん(29)は多くの作品をスマホで撮影したといい、「夢二は好きだが初めて見る作品が多く、さらに魅力が深まった。自由に撮影できるので、思い出として残したい」と笑顔を見せた。

 会期は5月6日まで。開館時間は午前9時半~午後5時となっている。観覧料は一般1200円(20人以上の団体・65歳以上のシニアは900円)、高校・大学生500円(団体400円)、中学生以下無料。

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