圏央道で一時退出実験 「道の駅常総」に立ち寄り可 29日から常総IC 茨城

圏央道常総ICから一時立ち寄りを可能とする社会実験が行われる道の駅常総=常総市むすびまち

国土交通省は29日、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の常総インターチェンジ(IC)から、近くの「道の駅常総」に一時退出できるようにする社会実験を始める。次世代型ETC搭載車で、2時間以内に同ICから再び同じ方向に乗り直せば、圏央道を下りずに目的地まで行った場合の料金に調整される。県内区間で課題となっている休憩施設の不足を補うのが狙い。

社会実験は次世代型の自動料金収受システム「ETC2.0」搭載車が対象。同省が東日本高速道路(ネクスコ東日本)と協力し、道の駅が休憩施設の役割を果たせるようにする。

常総ICから一時退出して道の駅常総に立ち寄り、2時間以内に同ICで同じ方向へ乗り直すのが条件。道の駅に設置されたETC送受信機を通過した上で、同ICから再び乗れば、目的地まで圏央道を下りずに利用した場合と同じ料金に調整される。

圏央道の県内区間の休憩施設は、稲敷市内の江戸崎パーキングエリア(PA)に限られる。同PA以西では約77キロ離れた埼玉県久喜市の菖蒲PAまでなく、休憩施設の確保が課題となっている。坂東市内の坂東PA(内回り)が4月23日に開業すると決まったものの、江戸崎PAとの間は約40キロある。

同省関東地方整備局によると、全国の高速道には休憩施設間の距離が25キロ以上離れている所が約100区間ある。同省は半減を目指し、休憩施設を確保するため、全国24カ所の道の駅を対象に一時退出を試行している。県内では圏央道五霞ICから道の駅ごか(五霞町ごかみらい)に立ち寄ることができる。

道の駅常総は昨年4月に開業した。農業団地「アグリサイエンスバレー常総」の一角にあり、「食・農・楽」をテーマに県産の農産物や加工食品を数多く取り扱うのが特徴。オープンから半年で、当初年間目標とした来場者100万人を達成するなど人気施設となっている。

関東地方整備局の担当者は「ドライバーの疲労回復とともに、道の駅の広域的な利用者拡大により地域活性化にもつなげたい」と話している。

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