スペックが桁違い!と話題のスタバ「紙袋」、マニアが唸る技術力

「最高峰の印刷技術が詰め込まれている」と、「スターバックス」(代表:水口貴文)の紙袋が意外な切り口で話題となった。同店の紙袋といえば、店舗で「テイクアウト」をお願いすると無料でもらえるもの。本当に「すごい印刷技術」を使っているのか? 担当者に話を訊くと、意外な新事実が明らかとなった。

「スターバックス」でテイクアウト用バッグとして配布されている「ペーパーバッグ」(2024年の限定デザイン)

◆ きっかけは「あるツイート」、10万いいねの反響

話題となったのは、「日本で2社くらいしか印刷できない最高峰の技術が詰め込まれています。デザイナーさんで印刷伴う方は必見です。これフレキソ印刷ですよ。デザイナーの知見と技術者両方擦り合わせないと作れないレベルです」といったツイート。ちなみにフレキソ印刷とは、凹凸のある段ボールへの印刷などに使われることが多く、小さな点の集まりで色の濃淡を表現する高難度の技術だ。

「新世代ジャポニズム」がテーマのペーパーバッグ。新時代の浮世絵がイメージされ、新しい桜を表現したという

そんなマニア目線からのツイートが話題になったのは、2月下旬のこと。「知っている人がテンション上がる凄さ」との言葉が添えられているが、一般の人々にとっても興味を惹くニュースだったようで、約10万いいねに、1000万回以上の表示、「紙袋ほしさにスタバ行ってきた!」「しばらく愛でたい。ブックカバーにしようかな」など、紙袋の「印刷技術」が見事に大バズりを果たした。

「紙袋」でとどめておくのはもったいない!と、自身でアレンジして「ブックカバー」や「バッグ」に作り替える人が続出

◆「以前からこの印刷方法で制作しています」

この件について「スターバックス」のクリエイティブ担当に尋ねてみると、「今年のSAKURAデザインのバッグに注目していただけてうれしく思います。エネルギッシュなパワーに集うようなクリエイティブを作りたい、という思いから新時代の浮世絵をイメージし、新しい桜の表現が実現いたしました。コンセプトは『新時代ジャポニズム』です」と、喜ばしい様子でコメントしてくれた。

そして、「話題にしていただている『フレキソ印刷』は、今回だけでなく、以前からこの印刷方法で制作しています。今回のバッグについては、デザインの華やかさや細かい表現をしているため、お客さまからも特別に感じていただいたのかもしれません」とのことだった。

SAKURAシーズンの限定ペーパーバッグ(右)と通常バージョン(左)

ん? 以前から? 話を訊くと、どうやら通常のグリーン×茶のバッグも話題の「フレキソ印刷」、クリスマスの時期に見る赤いバッグも「フレキソ印刷」、身近にあったテイクアウトの紙袋はこのスゴい印刷技術で作られていたのだ。

こだわりは「鳥や葉の黄緑は、水色と黄色の掛け合わせを使用し、フレキソ印刷のグラデーションの掛け合わせで色を作っています」とのこと。ちなみに「木」の部分はクラフト紙の茶色をそのまま使っているそう

今回話題になったことで「コストかかってそう・・・」「世界で1番手の込んだ紙袋じゃないか」といった声も上がっていたが、広報担当者曰く「ブランドとしてペーパーバッグ、店内で配布する資材などもすべてスターバックス体験を演出するもの」だそうだ。

「新作フラペチーノ」を目当てに店舗に走って行くのもいいが、案外身近なところにも話題のネタは転がっているのかもしれない(SAKURAシーズンの限定ペーパーバッグ配布は、在庫が無くなり次第終了)。

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