娘2人の成長 絵画に 行方・片岡さん描き続け25年 茨城

昨年結婚した長女夫妻の水彩画を描いた片岡満さん=行方市長野江

茨城県行方市の男性が、娘2人をモチーフにした絵画を25年にわたって描き続けている。元美術教師で、これまでに描いた作品は100点を超える。長女が昨年結婚した際にはウエディングドレス姿を描いて祝福した。これからも絵画を通して娘たちの成長を見守り続けたい考えで、「描きためた作品を集めて個展を開きたい」と意欲を見せる。

娘たちの絵画を描いているのは同市長野江の片岡満さん(66)。中学校の美術科教員として長年活躍し、現在は小美玉市の玉里保育園長を務めている。同園でも、系列園を含む卒園予定148人の似顔絵を描いており、記念にプレゼントする予定という。

娘2人を描くようになったのは次女の映理香さんがまだ幼かった1999年ごろ。美術科の教員として忙しい日々を送りながらも、自身の作品づくりで「良いモチーフはないか」と探していた時に、まな娘たちを題材にしようと考えた。それからは家族のスナップ写真などを基に水彩や油彩で描き続け、その作品の数々は図らずも娘たちの成長記録にもなった。

ここ2年ほどは「(娘たちに)恥ずかしがられてしまって」描く機会を逃していたが昨年1月、長女の祐里乃さんが結婚。新婦の父として結婚式に出席した際に撮影した写真を基に、アクリル絵の具の水彩画で娘の晴れ姿を描いた。作品は今年2月に潮来市で開かれた水郷美術展覧会にも出展した。

2カ月がかりで完成した作品は90センチ四方の大作で、純白のウエディングドレスに身を包み、幸せそうに新郎に寄り添う新婦の姿が描かれている。作品は祐里乃さんからも好評で、片岡さんは作品を眺めながら「よく成長してくれた」と感慨深そうな表情を浮かべる。

娘や園児など、子どもたちが見せる表情を捉えた人物画は「しっかり描くのが難しく、勉強には最適。もっと力を付けないといけない」と片岡さん。今後もさらに腕を磨き、娘2人の成長をキャンバスに描き続けるつもりだ。

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