児童全員が落語に取り組むというユニークな教育活動で全国的な表彰も受けている島根県奥出雲町の小学校で、このほど1人だけの6年生が卒業公演を迎えました。
6年生を送る下級生は卒業生に贈る言葉とかけまして、ペンギンと解きました。
その心は?
雪化粧した学校に大勢の人たちが集まって来ました。楽しみにしていたのは。
青葉亭ゆうやけさん
「隣のおばあさん、80歳でお店を始めたらしいよ。バーバー。」
仁多郡奥出雲町立高尾小学校は山あいの小規模校で人との交流が少ないことから、積極性や表現力を養ってもらおうと2013年から落語を学習に取り入れ今では児童たちが「にこにこ寄席」と銘打ち、県内外で話芸を披露するようになっています。
この日は青葉亭ゆうやけこと、6年生の渡部夕夏さんの卒業公演で、下級生3人の高座に続いて、ゆうやけさんがトリを務め新ネタを含む噺を披露しました。
青葉亭ゆうやけさん
「畳は貧乏のぼーろぼろ。」
下級生からは大喜利で贈る言葉が。
下級生
「卒業生に贈る言葉とかけまして…」
青葉亭ゆうやけさん
「卒業生に贈る言葉とかけまして…」
下級生
「ペンギンと解きます。」
青葉亭ゆうやけさん
「ペンギンと解く、その心は?」
下級生
「どんな難局(南極)も乗り切るのですよ。」
観客
「かっこ良かった。」
「子どもがあれだけのね、寄席をやるのは大変なことだと。逆に言うとね、生徒が4人だからマンツーマンで授業ができるし、だから良いのかなと。」
下級生は現在、2年生、4年生、5年生がそれぞれ1人ずつで、来年度も新入生がいないため、ゆうやけさんの卒業により全校児童は3人になります。
このため町内のほかの学校に先駆け来年度限りで、町中心部の小学校に統合されることになっていますが、その後、「にこにこ寄席」の取り組みをどうするかはまだ決まっていません。
青葉亭ゆうやけさん
「落語を見に来て下さったお客さんとも、とても仲良く話しさせて頂いて。とてもにこにこ寄席は良いものだったなと。(高尾小が)小学校ではなくなっても、この場所を使って何か違うことに使ってもらえたら嬉しいです。」
全国的にも注目される教育活動だけにこの財産をどのように未来へ継承して行けるのか。残り1年間の大きな宿題です。