【海の京都「伊根町」を歩く】美しくノスタルジックな伊根の舟屋は宿泊もできる|もうひとつの京都

連日国内外から多くの観光客が訪れる古都・京都。京都といえば京都市が有名ですが、実は京都にはもっと素敵な場所がたくさんあるんです。今回はそんな“もうひとつの京都”の絶景を全3回で紹介。第1回目は、海の上に浮かんだように広がる舟屋を中心とした伊根町です。宿泊もできます。伊根町観光交流施設「舟屋日和」内にあるランチスポット「鮨割烹 海宮 WADATSUMI」や、カフェ「INE CAFE」にも立ち寄ってみました。

隠れ人気観光スポット「伊根の舟屋」とは?

伊根町は京都府北部、丹後半島の北端に位置する街。伊根町の代名詞といえば、海沿いギリギリに建てられた舟屋群です。その景色はまるで日本のヴェネツィアのようだとも言われています。

周囲約5キロの伊根湾にそって海に浮かんでいるように並ぶ舟屋は、もともとは船を海から引き上げて、風雨や虫から守るために建てられた施設で、伊根には約230軒が軒を連ねています。舟屋郡は、重要伝統的建造物群保存地区と指定されているため、昔ながらの風景を見ることができるんです。

伊根町観光案内所から出発!

伊根の街巡りを始める前に、まずは伊根町観光案内所に立ち寄りましょう。ここでは地図など必要な情報をもらうことができますよ。古民家を改装した案内所も風情があってよいですよね。

案内所前の伊根浦公園には、無料の伊根町コミュニティサイクルもあります。決して広くはない伊根町ですが、歩くと時間がかかるそう。そんな時は自転車で巡るのもおすすめですよ!

歩きながら舟屋の絶景を楽しむ!

伊根の舟屋群の楽しみ方は、伊根湾めぐり遊覧船や海上タクシーに乗って海から眺める方法や、歩いて地上から眺める方法などがあります。今回は、ガイドさんに案内してもらい、歩きながら伊根の景色を楽しんでみました。

とにかく、どの景色も素敵すぎて、シャッターを押す手が止まりません! 江戸時代から続く舟屋の姿を残しているということもあり、ノスタルジックさは満点。このまま時間が止まったらいいのにと思うほどでした。

この日はあいにく雲の多い天気ではありましたが、むしろそれが伊根独特の雰囲気をより高めてくれたように感じました。

ガイドさんの話だと、京都の北側の天気は「時雨(しぐれ)」と言われ、1日の間によくなったり悪くなったりするそう。そんな京都ならではの気候を楽しむのも、乙かもしれませんね。

伊根町観光案内所

京都府与謝郡伊根町字平田491

TEL:0772-32-0277(9:00〜17:00)

https://www.ine-kankou.jp/

ガイドツアーで舟屋の暮らしをもっと知る!

伊根の舟屋のほとんどが個人の私有地のため、無断で入ることはできません。今回は伊根浦散策ガイドツアーに申し込んだので、舟屋内部に入って舟屋での暮らしを身近に感じることができました。

特に、船を格納している1階からの海の眺めは、舟屋に暮らしている人たちしか見られないもの。すぐ目の前に広がるエメラルドグリーンの海は美しく、いつまでも眺めていたくなる絶景でした。

また、ガイドツアーでは”もんどり見学”もできます! もんどり漁は、住民が魚のあらを餌に晩ご飯を調達する仕掛け漁のこと。実際に網を引き上げてみると、この日はなまこが2匹入っていました。

そんな舟屋の暮らしを味わえるガイドツアーは、案内所で申し込みを受け付けています。舟屋の内部などをしっかり見たい方は、必ず申し込みましょう! ただし、週末などは混み合ってガイドの予約が埋まってしまうことがあるそうなので、早めの事前申し込みがおすすめです。

伊根浦散策ガイドツアー

https://www.ine-kankou.jp/active/marugotohirata

懐かしい街並みを楽しむ!

海沿いの舟屋の景色を楽しむのはもちろんですが、陸側の景色もとても風情があります。

実は舟屋自体は1階が船を収納するガレージ、2階は住居となっていますが、広くはありません。そのため舟屋の裏の道を挟んだ反対側に母屋があり、住民たちは母屋で暮らしています。その母屋も古民家が多くあり、とてもフォトジェニックなんですよ。

ふと、足元を見ると舟屋群と船が描かれたマンホールが! 街歩きをしているとこういう発見があるのも楽しいですよね。思わず写真に撮ってしまいました。

伊根には舟屋を改装した宿泊施設が多くあります。目の前に広がる海を眺められる舟屋ならではの伊根の滞在をを楽しむこともできます。とくに外国人観光客に人気なのだとか。

伊根に泊まる|伊根浦地区農泊推進地区協議会

https://www.ine-kankou.jp/inns

歩いていると、伊根の舟屋群をグラフィックにデザインしたTシャツなどを売っているお店もありました。ガラス扉にもグラフィックが施されていておしゃれ! お土産にもよさそうですよね。

また、伊根には“日本で最も海に近い酒造”ともいわれる「向井酒造」もあります。とくに赤米で造られた桜色の「伊根満開」は、入手困難で幻のお酒と言われているのですが、筆者たちが訪れた日もあいにく売り切れでした。

「向井酒造」には、伊根の舟屋のイラストをラベルにした日本酒「舟屋の里」や、おちょこも販売しているので、お土産にぜひ買ってみてくださいね。

向井酒造

京都府与謝郡伊根町字平田67

営業時間:9:00〜17:00(※12:00-13:00はお昼休み)

休業日:木曜日・年末年始

TEL:0772-32-0003

https://mukaisake.official.ec/age-verification

海を見ながら海鮮料理を楽しむ!

舟屋の街である伊根に来たからには、美味しい海鮮料理も楽しみたいところ。伊根町観光交流施設「舟屋日和」内にある「鮨割烹 海宮 WADATSUMI」では、伊根の海を眺めながら、料理を堪能することができます。

今回いただいたのは、ランチメニューの「わだつみ寿司御膳」(税込3,300円)。早朝、伊根で水揚げされたばかりの鮮魚を使った、寿司5貫、お造り、煮魚などがセットになっています。

伊根でとれたという魚介類はどれも新鮮! 脂の乗った旬のブリの刺身とふんわりやわらかなカサゴの煮魚など、どれも最高の味わいでした。

綺麗な海を眺めながら食べる食事は、格別の時間を堪能できること間違いなしですよ!

鮨割烹 海宮 WADATSUMI

京都府与謝郡伊根町平田593-1 舟屋日和

営業時間:ランチ 11:30~14:30(LO14:00)

ディナー 17:00~21:30(LO20:00)

※季節により営業時間が異なります

定休日:水曜

TEL:0772-32-1710

https://funayabiyori.com/food/

伊根でティータイムをするならここ!

伊根の街をたくさん歩いたら、やっぱりお茶をしたい! 「舟屋日和」内にある「INE CAFE」なら、伊根町の卵を使用したチーズケーキ、ガトーショコラ、はちみつ入りの自家製レモネードなどを、海の景色と一緒に楽しめます。

SNS映え間違いないフォトスポットはとくに人気! ひっきりなしにお客さんが写真を撮っていました。

とても人気のあるカフェなので、常に店内は混んでいますが、2階にも席がありますよ。

テイクアウトもあるので、コーヒーを飲みながら街歩きもおすすめです!

INE CAFE

京都府与謝郡伊根町平田593-1 舟屋日和

営業時間:11:00~17:00(LO16:45)

定休日:水曜

TEL:0772-32-1720

https://funayabiyori.com/food/

伊根で知らなかったもう一つの京都を感じて!

半日もあれば一周できてしまう伊根の街。しかし、この街に流れるゆったりした時間に身を任せて、いつの間にか忘れてしまった日本の懐かしい風景を感じながら、滞在してみたいと感じました。

ぜひ伊根でこれまで知らなかったもうひとつの京都を感じてみてくださいね!

[All Photos By Kaori Simon]

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