「タケの素早く賢いプレーによるものだ」久保建英の先制点に繋がる機転に現地メディアが賛辞! ただプレー全体には「彼の日ではなかった」

現地時間3月15日に行なわれたラ・リーガ第29節で、レアル・ソシエダはカディスを2-0で下して、14節セビージャ戦以来となるリーガでの連勝&ホームでの白星を飾った。
久保建英は、リーガでは3試合ぶりとなる出場を果たし、右ウィングとしてスタメン入り。28分には、CKのキッカーとして機転を利かせ、素早くグラウンダーでペナルティーエリア内のミケル・オジャルサバルに合わせ、ミケル・メリノの先制ゴールを演出した。クラブは公式サイトで、この場面を「ナバーラ州出身の背番号8(メリノ)は、久保のクイックリスタートと、その後のオジャルサバルのアシストを活かした」と伝えている。

68分にアルセン・ザハリャン(出場から2分でソシエダでの初ゴールをゲット)との交代でベンチに退いたが、それまでにボールタッチ44本、シュートなし、パス24本(成功16本)、キーパス3本、ドリブル4回(成功なし)、空中戦2回(勝利2回)、タックル4回(成功1回)、ファウル1回というスタッツを記録した(データ専門サイト『WhoScored.com』より)。

現地メディアの報道では、マドリードのスポーツ紙『MARCA』も先制場面に注目し、「メリノは、同僚たちの戦略と狡猾さで先制ゴールをホームチームにもたらした。タケ・クボは非常に素早いCKを蹴り、カディス守備陣の隙を突いた。(中略)背番号8は、リバプールのディボック・オリギが2019年のチャンピオンズリーグ準決勝でバルセロナに対して決めたゴールを思い起こさせるようなアクションで、容赦なくゴールを決めた」と報じている。

一方、『AS』紙は3点満点の採点で「1」止まりとし、個別評価では「イマノル・アルグアシル監督の戦略をしっかりと守り抜いた。先制点の場面では、CKで機転を利かせて、素早くボールを蹴り込んだ」と評価しながらも、「プレー中に危険な場面を創り出すのには苦労した」とネガティブな面も挙げた。
続いてバルセロナのスポーツ紙『MUNDO DEPORTIVO』も、「ソシエダはメリノのゴールで先制したが、これはタケ・クボの素早く賢いプレーによるものだ」「久保が素早くボールを動かしてアンダルシア守備陣の隙を突くと、カディスは数秒間の集中力の欠如で高い代償を払うこととなった」「ソシエダはCKで非常に巧妙なプレーを見せた」と、28分のプレーに言及している。
また、個別評価では「賢者」と背番号14のプレーを表現したが、「復帰戦での彼のプレーは実際のところ、あまり良くはなかった。しかし、そのクレバーなプレーはゴールとチームの勝利に繋がった。彼がアジア(日本代表)から戻ってきた時には、より良い状態となり、よりエネルギッシュで、より良い判断力を取り戻していることを願っている」と、全体的には厳しい評価を下した。

日刊紙『El Pais』は「久保は先制の場面で最も賢明なプレーを選択」と称賛したが、対照的にバスクの地元紙『noticias de Gipuzkoa』は、10点満点の採点で「5」を久保に与え、寸評も「今日は彼の日ではなく、ほとんど何も上手くいかなかったが、先制ゴールに繋がるCKを蹴った」とネガティブな内容となっている。

最後に、サッカー専門サイト『El Desmarque』は、「カディスの守備が眠っている間に、一番賢い久保健英がチャンスを掴んだ」と伝え、「このところ苦労している日本人選手にとって、彼の日ではなかったが、不調を乗り越えてプレーした。彼のプレーは判断力に欠けたものの、先制時には相手守備陣が混乱している隙を突いてCKを蹴るという、非常に賢いプレーを見せた」と評するも、採点はこちらも「5」止まりだった。

構成●THE DIGEST編集部

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