「栃木では1番」…BEAT UPをけん引した魅惑の司令塔・北條真杏、高校では「1年生から活躍できるように」

「栃木では1番(の選手)ですね。県の選抜チームにも選ばれていますし、やっぱり周りの選手と感性が違う。彼女がボールを持っていると安心しますし、チームも落ち着きます」

BEAT UPの長谷哲ヘッドコーチがそう太鼓判を押すのは、キャプテンとしてチームをけん引した北條真杏。「2024 bjカップ U15 in TOCHIGI」で大会MVPを獲得し、BEATに初優勝をもたらした原動力だ。

「最後まで楽しんで優勝できたので嬉しいです」。優勝後に笑顔を見せた北條は、165センチのポイントガード。「得意なプレーはドライブから空いてる選手にアシストすることです」と言うように、今大会でも落ち着いたゲームメイクを披露してオフェンスの中心を担った。

BEATは栃木県で活動するBREAKERZとAMG BUDDY’S BASKETBALL CLUBによる混成チームとして今回のbjカップに出場した。小学1年生でバスケットをはじめた北條は、小学4年生からBUDDY’Sに所属。中学3年間もバスケ部には入らず、そのままBUDDY’Sでプレーした。

北條はBEATのチームカラーを「みんな猪突猛進タイプで、楽しく声を出しならがプレーできるチーム」と表現する。所属チームでは小、中とキャプテンを務めたこともあり、今回の混成チームでも主将を任された。

「即席チームだったので、ちゃんとみんなが団結できるかどうかが大事だと思っていました。自分はチームをまとめることが苦手なんですけど、なるべく声をかけてみんなのマインドを上げられるように頑張りました」

試合ではベンチメンバーに加え、2階席からも仲間が声援を送ってチームを盛り上げた。この後押しや一人ひとりの明るさには北條も助けられたようで、「団結力を高めるために『みんなで声を出そう』ってチームで話したんですけど、実際はその前からみんなが明るかったです」と話した。

混成チームながら一丸となって大会を駆け抜けた[写真提供]=オールスポーツコミュニティ

「ちゃんとまとめるところはまとめて、一人ひとりの悪いところもしっかりと言ってくれるので、頼れるキャプテンでした」。チームメートの直井愛佳がBEATを引っ張ったキャプテン兼ポイントガードの頼もしさを話せば、同じく今大会で一緒にプレーした手塚亜夢も同調して北條の凄さを語る。

「いざという時や点数が止まった時には、1人で点数取ってくれるのですごく頼りがいがあります。いいパスもくれるのですごくやりやすいですし、最高のキャプテンだと思います」

北條は2日間で4試合を戦ったbjカップでの自身のプレーを振り返り、「できたと思います」とコメント。しかし、今後に向けては「大事なところでのパスミスが多かったと思います。もっとパスの精度やゲームをコントロールする能力を高められるよう頑張りたいと思います」とレベルアップを誓った。

地元で開催された今回のbjカップで優勝を成し遂げ、北條は中学生活最後の公式戦を終えた。「コートに立てなかった選手とか、応援してくれたみんなにすごく感謝してます。親も毎日、送迎とかご飯とか作ってくれてありがとうございます。高校に行っても頑張るのでよろしくお願いします」。感謝のメッセージを送った北條は、4月からは高校の部活動でバスケットを続けるという。

5年間クラブチームで活動した彼女にとっては新たなチャレンジとなる。「1年生から活躍できるように頑張ります」。これからの目標を口にした北條は、次のステージでも県内屈指、さらには全国区のポイントガードとしてコートで輝くはずだ。

文=小沼克年

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