Aぇ! group、ファンと共に掴み取ったCDデビュー 笑いと涙で溢れた京セラドーム公演

3月16日、17日に京セラドームで開催する、Aぇ! group初のドーム公演『Aぇ! group Aッ倒的ファン大感謝祭 in 京セラドーム大阪 ~みんなホンマにありがとう~』が16日に初日を迎え、Aぇ! groupが今年5月15日にCDデビューすることを発表した。

同事務所のデビュー前のグループによる単独ドーム公演は、2006年のKAT-TUN(東京ドーム)以来18年ぶり。京セラドーム大阪では初めてのこと。総動員数は2日間で約10万人。本稿では嬉しい悲鳴と感涙に包まれ、ファンとデビューの喜びをわかちあった16日の公演をレポートする。

会場に流れるBGMのボリュームが次第に大きくなり、照明が暗転すると歓声もさらに大きさを増した。センターステージ上に設置されたモニターにメンバーを紹介するオープニング映像が流れ、続いてAぇ! groupのメンバー5人が揃って登場した。

正門良規が「どうもー!Aぇ! groupです!」と会場のファンそして配信を視聴する全国のファンに向け「僕たちの圧倒的な感謝を受け止めてください!」と呼びかけ、1曲目「Aッ!!!!!!」で、のっけから熱気で包んだ。デコラティブな白ジャケットにデニムをあわせた衣装の5人がパワフルに歌唱。佐野晶哉が「僕たちから圧倒的な愛を叫ぶのでみんなも僕らに返してね」との呼びかけには、「好きー!」「大好きー!」「Aぇ! groupが大好きだ!」と大きな声で応えるオーディエンス。360度ファンに囲まれたステージを駆け回ったメンバー。最後はステージ中央に集まって大きくジャンプ。続くWEST.の「バンバンッ!!」からは関西ジュニアにとってお馴染みの楽曲を披露。ハート型のトロッコにのって5人が会場に散らばり、客席にとびっきりの笑顔を見せた。「ロマンティック」「アホ新世界」と進むにつれて波打つように激しく揺れるペンライト。そしてイントロから大歓声に包まれたオリジナル曲「Firebird」へ。末澤誠也が「今日は俺たち5人と最高の思い出作ろうぜ!最後までよろしく!」と声を張り、赤い照明と火花の特効でAぇ! groupを象徴するステージ。サビ前に末澤が「いくぞ京セラー!」と煽り、さらに会場の熱気が高まった。

MCの終盤では正門の「我々Aぇ! groupからプレゼントというかお知らせごとがございます」という言葉を合図に映像が流れ、アリーナツアー『Aぇ! group Debut Tour ~世界で1番AぇLIVE~』を発表。北海道、愛知、静岡、宮城、福井、福岡、大阪、東京と会場を記したマップをワゴンが走る。特に大阪城ホールではひときわ大きな歓声があがった。

さらにプレゼントは続き、正門が「僕たち5人の言葉でみなさんにご報告したいことがございます」と切り出した。「Aぇ! group」からしばし間をあけ、5人で声を揃えて「CDデビューします!」と5人の口からCDデビューを報告。これには会場を揺らすほどの大歓声が沸き上がり、メンバーも「やったー!」「ありがとう!」「やったぞーー!」と口々に語った。ゴールドの紙吹雪が舞う中5人がステージ中央で円陣を組み、会場の5万人と配信を見守るファンと夢を掴んだ喜びを分かち合った。またレーベルがユニバーサル ミュージックであることやデビューシングルが『《A》BEGINNING』であること、そして正門が「好きなグループのこれ入りたくないですか?」とファンクラブ発足に公式Xの開設と、相次ぐ知らせに、声を枯らす勢いでファンからは熱い歓声があがっていた。

また、関西の先輩からサプライズでお祝いのビデオメッセージが。なにわ男子、WEST.、SUPER EIGHTから届いたメッセージを、5人が一列に並んで一言一句逃すまいという姿勢で愛おしそうに祝福の言葉を浴びていた。

ライブ後半はファンからの投票で選ばれた楽曲をメドレーで披露。「名脇役」(Sexy Zone)のバラードから、ダンス曲の「YSSB」(WEST.)、王道アイドルソング「White Love」(Hey! Say! JUMP)、そして重低音鳴り響く「WHIP THAT」(SixTONES)、「V.I.P.」(B.A.D)で会場を再び熱気で包むと同時に、ジャンルを問わない彼らの多彩さを見せつけるパートでもあった。続いて、佐野のドラムが軽快なビートを刻むなか、メンバーがスタンバイ。正門のギターで「Oh Yeah!」(嵐)へ。そして「君からのYELL」ではステージを駆け回る末澤。正門と草間リチャード敬太も客席にまで近づき、小島健と佐野もありったけの思いを込めた様子で、会場の全方位、隅々にまでに歌声を届けようとする熱意が伝わってきた。末澤が「みんな久しぶりに聞くけど、Aぇ! groupのこと好きか?」の問いかけに、熱い思いをぶつけるオーディエンス。佐野のドラムがより一層激しさを増し、最後はわずかな間を設けてバンドパートを派手に締めくくった。

ここから空気をがらりと変え、「PRIDE」のオルゴールバージョンが静かに流れる中、ブルーの照明に照らされ一人ずつ挨拶した。息を切らした様子の佐野だったが「今日は本当にありがとうございました」とファンやスタッフに感謝の気持ちを伝え、メンバーに言葉をかけたところで涙ぐんだ。「僕は、1回あきらめようとしたタイミングで、小島くんと正門くんがこの8年間で唯一怒ってくれて、2人が畳の楽屋で大人に土下座して……それをリチャくん(草間)、誠也くんが認めてくれていまがあります。いまめちゃくちゃ幸せです」とコメント。そして「ラブソングのオチみたいやけど、Aぇ! groupでいるときの僕が好きです」と照れ笑い。「この景色、絶対忘れずにまたゼロからスタートです」と、SUPER EIGHTの横山裕から言われた「息の長いグループに」との言葉を踏まえて、「5人で白髪生やして髪薄くなって太って、じいちゃんになってもバンドできるように息長く、僕らのことを愛してください」と決意を語った。

深くお辞儀をした小島は「Aぇ! groupができて5年。5人で京セラに立ってるぞ!」と噛みしめるように語り、「誰が想像した?」「俺たちの力だけじゃ絶対にできなかったこと」と家族や先輩、後輩、スタッフ、そしてファンのおかげだと話す。「夢の舞台で夢のような発表ができました!」と改めて感謝を伝えた。これまでの軌跡に触れ「過去に感謝してこれからの未来を5人でAぇ! groupで作っていきたいと思います」とメンバーカラーの紫色に染まる会場に熱いメッセージを送った。

草間は「みなさん本当にありがとうございました!」と声高らかに挨拶し、「やっと言えた!!」と本音をこぼした。「もう、言いたくて言いたくて、でもなんか『決まった!』って言ったらなくなっちゃうような気がしちゃって……ソワソワしてて、やっとこの舞台上でみんなに向かって、自分たちの言葉で伝えることができて本当に本当に、心の底から嬉しいです」と笑顔を見せた。そしてこれまでを「事務所入って15年ですよ、1回辞めようとしてるし」と回顧。「ほんまみんなのおかげです!」とAぇ! groupがこんだけ絆を深めて、こんな舞台に立てるんですよ」と声を張り、目を輝かせながら大きな夢を語った。

ブルーの光に包まれた正門は「お待たせしました」と幸せな報告を噛みしめるように語り、「メンバーの話を聞いてて、いろいろあるグループやなと実感しています」と涙ながらに語った。「これからが大変なのかもしれませんけど、なんの根拠かわかんないんですけど、全部、俺たちらしく、楽しく乗り切れるような気がしています。これからどういう旅をしてどういうグループになっていくのか、どういう思い出ができていくのか、これから先をポジティブに純粋にみなさんと楽しいことをして過ごしていきたい」と優しい口調で続け、これからもよろしくお願いしますと語った。

「今日はありがとうございました。やっと……デビューすることができました…」と末澤。赤く染まった会場を前に、涙で言葉を詰まらせ、マイクを持つ右手で目をおさえた。「いや…あんまりさ…弱音とか吐くタイプじゃないんやけど、今日だけ……。めっちゃつらかったわ」とこぼすと、会場からは「頑張れ!」と大きな拍手が送られた。「励ましてくれるみんながいて、わらかしてくれるメンバーがいて、Aぇ! groupでよかったなと本当に思います」と続け、「何より芸歴15年で29歳で…このいまのいままで、何一つ僕に文句ひとつ言わなかった両親に感謝したいですね」と語った。仕事に対して何も言わずに見守ってくれた両親や友人への感謝に加えて、「本当にいろんなことがある度にスタッフさんがすごく全力で支えてくれて、Aぇ! groupは本当にたくさんの人に愛されているグループやなっていうのを、その都度思いますね」と噛みしめた。また、後輩らに向けて、「諦めることってすごく簡単やと思う。いまの仕事辞めたいとか、思ってる人もいるかもしれへんし頑張る気力がないと思う人もいるかもしれへんし。でも俺は間違いなくゆっくり一歩ずつやったかもしれへんけど自分の中の一つの夢を叶えることができたので、諦めずにがんばり続ければ必ず夢は叶うと思ってます」とメッセージを送った。「僕たちからの感謝を伝えたいと思います」と末澤の言葉で「ボクブルース」へ。一人ずつ思いを込めながら、時折声を揺らしながらじっくりと歌い上げ、初のドーム公演の本編を終えた。

会場からのアンコールに応え、揃いのTシャツで再び登場した5人。ライブを見学する関西ジュニアをステージに招き、「関西アイランド」を披露。嶋﨑斗亜(Lil かんさい)が涙を流して佐野と喜びを分かち合ったほか、同じく涙する伊藤篤志(Boys be)が末澤をバックハグする一幕も。小島もさすがにこらえきれなかった様子で、鼻を赤くして涙を流すなど感無量の様子。関西ジュニアならではの心の距離、絆を感じるひとときだった。

最後は5人がフロートに乗って会場をゆっくりと一周。ファン一人ひとりにお礼を伝えようと言わんばかりに、最高の笑顔で時間の限りファンに感謝を伝えた。

(文=柚月裕実)

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