急遽STANLEY CIVICをドライブした岩佐歩夢。初GT500の感想は「想像よりもハコ車だった」

 3月17日、岡山国際サーキットで行われたスーパーGT公式テストの2日目。雨混じりの天候となったこの日、大きな注目を集めたのが現在全日本スーパーフォーミュラ選手権に参戦し、レッドブル育成プログラムメンバーでもある岩佐歩夢がSTANLEY TEAM KUNIMITSUから急遽テスト2日目に参加したことだ。岩佐は岡山で初めてスーパーGT GT500クラスのマシンをドライブした。

 当初、100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GTは山本尚貴と牧野任祐が2日間テストを行う予定だったが、テスト直前に牧野が体調不良により不参加となってしまった。そこで、ちょうど週明けに海外に向けて出発する予定だった岩佐に声がかかり、2日目のテストに参加することになった。

「急なオファーだったので、バタバタしながら岡山に来てクルマに乗り込むという形でした。前日の夜から本当に時間がなかったので、このクルマの基本的な動かし方を勉強して乗り込みました。さすがに緊張はしましたが、GT500車両は一度乗ってみたいクルマだったので、ドキドキした部分がありました」と岩佐は初乗車前の心境も明かしていた。

 この日のSTANLEY CIVIC TYPE R-GTは山本がセッション3の走り出しを担当し、開始10分のところで岩佐が乗り込み、合計8周を走行。1分22秒720のパーソナルベストを記録した。

 その後は山本に交代しテストメニューをこなしていったが、セッション4の終盤に再び出番が回り、午前とは異なるウエットコンディションで14周を走った。

■テスト参加にともなうスーパーGT参戦は否定。「本当にスケジュールが空いていたから」

 初めてのGT500マシンでの走行を終えた岩佐は「すごく楽しめましたね。ドライでは計測5周とか本当に少なかったんですけど、その数周のなかでも感覚はけっこう早くつかめましたし、ウエットも何周かしましたけども走れました。ドライとウェットの両方の両方を走れたというのは、自分としてはすごく大きな経験になりました。ドライでもう少し走りたかったっていうのはありますね。楽しいクルマでした」とコメントし、時折笑顔を見せていた。

 今までは外からスーパーGTを観ていた岩佐にとっては、今回のテストは新たな発見の連続だったという。

「他のドライバーさんから『ハコの形だけど(動きは)フォーミュラに近いよ』とは聞いていたんですけど……。逆にそれを聞いていたからか『想像よりハコ車』だなという感じはありました」と第一印象を語った。

 実は岩佐はヨーロッパへ拠点に移す前の2019年のスーパー耐久第6戦にST-4クラスから参戦し、ハコ車と岡山国際サーキットを経験していたとのこと。

「根本的な自分のハコの感覚がちょっと戻ってきたような感じで、どこか手こずるとかはなく、数周でマシンには馴染めましたし『こんな感じで走るんだな』というところまで詰められたので、その点は良かったです」と、その当時のことを思い出しながら、マシンに慣れていったようだ。

 今回のテスト参加により、岩佐が今後スーパーGTに乗る可能性があるのではないかと憶測も立ちそうだが、その点については、あくまで岩佐自身が経験を積むための一環であることを強調していた。

「今回は本当にスケジュールが空いていたからです。ただ、レッドブル側から『ハイパフォーマンスのマシンに乗れる機会があるのであれば、どんどん乗ったほうが良い』とアドバイスがありました。その中で今回そういった機会をいただけました」と岩佐は笑顔で話した。

「これだけダウンフォースが効いているクルマは世の中にあまりないので、そういったクルマで今回走れたことは自分のドライビングに関しても収穫だったのではないかなと思います」

2024年スーパーGT岡山公式テスト STANLEY CIVIC TYPE R-GT
2024年スーパーGT岡山公式テスト 山本尚貴と話す岩佐歩夢
2024スーパーGT岡山公式テスト 2日目にSTANLEY CIVIC TYPE R-GTをドライブすることになった岩佐歩夢

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