ロシア占領地で武装兵が投票強制 住民「うその選挙に意味ない」

ロシアが占領しているウクライナ東部ドネツク州マリウポリで、ロシア大統領選の移動式投票所で投票をする男性=13日(ロイター=共同)

 【ロンドン共同】ロシアが一方的に併合を宣言し、大統領選を強行したウクライナ東部・南部4州の占領地では、銃で武装した兵士らが戸別訪問して投票を強制するなど、民意の反映とはほど遠い状況となっている。住民はオンライン取材に「きたないやり方だ。うその選挙に意味はない」と怒りをあらわにした。

 ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は17日、X(旧ツイッター)で「ロシアは盗んだ領土で、銃を突き付け『選挙』を組織している。市民を連行し、忠誠の署名をさせている」と批判した。

 南部ザポロジエ州でロシアが「州都」とするメリトポリ在住の40代男性は、投票箱を持った選管係員が兵士と住宅を一軒一軒回っていたと証言。公園のベンチで休んでいる時に投票用紙を渡された人もいた。

 メリトポリでは、ウクライナのテレビ放送が遮断され、流れるのはロシアからのニュースのみ。街じゅうにプーチン大統領のポスターが張られており、男性は「プロパガンダに毒され、喜んでプーチンに投票する人もいる」と語った。

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