中国西北の「エネルギー基地」甘粛省慶陽、グリーン転換推進

中国西北の「エネルギー基地」甘粛省慶陽、グリーン転換推進

 【新華社慶陽3月17日】中国西北地域の「エネルギー基地」として知られる甘粛省慶陽市は、国の「双炭」目標(二酸化炭素<CO2>排出量の2030年までの減少転換、60年までの実質ゼロ)達成を後押しするため、従来型エネルギー産業の転換・高度化を加速しており、クリーンで低炭素、安全で効率的なエネルギー利用に注力し、新型エネルギー都市への歩みを速めている。

 同市は石油、石炭など従来型エネルギー資源に加え、風力や太陽光などの再生可能エネルギー資源にも恵まれることから、西北地域で重要な総合エネルギー化学工業拠点と位置付けられている。23年には国の計画に基づきエネルギー分野のカーボンピークアウト実施プランを制定。「双炭」実現に向けた道のりを明確に示した。

 石油など従来型エネルギー分野では、エネルギー産業が温室効果ガスの排出制御を絶えず強化している。同市にあり、天然ガス生産量で国内最大の規模を持つ長慶油田を運営する中国石油長慶油田も取り組みを強め、工程技術部の担当者によると、大型プラットフォームの水平井群では掘削や水圧破砕に必要な動力の燃料から電気への転換を推進。建設コストとCO2排出量を大幅に削減し、23年以降の削減量は動力の電気化だけでも9万5千トンに上った。

 再生可能エネルギーでは風力発電能力が約1770万キロワットとなり、全国の電力会社も同市に風力発電施設を持つ。風力発電や太陽光発電など非化石燃料エネルギーの供給にも注力し、再生可能エネルギーへの転換を推進している。同市エネルギー局によると、これまでに送電網に接続された新エネルギー発電プロジェクトは計237万5800キロワットで、23年の発電量は前年比37.7%増の25億4900万キロワット時となった。

 慶陽市は西部地区の電力や天然ガスを東部地区に送る国家プロジェクト「西電東送」「西気東輸」の重要な結節点であり、東部のデータ処理需要を西部のコンピューティング能力で賄う「東数西算」プロジェクトでも重要ハブの役割を担う。

 中国でビッグデータ産業群の建設が進む中、同市は豊富な新エネルギー資源を背景にコンピューティングとエネルギーの融合を推し進め、「ビッグデータ+(プラス)新エネルギー」総合開発利用を促進している。電力エンジニアリング大手の中国電力工程顧問集団の孫斌(そん・ひん)副総工程師(副チーフエンジニア)は、同社が慶陽の強みであるグリーン・再生可能エネルギーを活用する超大型グリーンデータセンターソリューションプランを実施すると説明。ビッグデータセンター全体のCO2排出を削減し、コンピューティングインフラの「ゼロカーボン」という最終目標の実現を目指すと語った。(記者/梁軍)

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