【台湾】愛媛県、台北で産品や観光PR=運航再開で[経済]

イベントであいさつする愛媛県の中村時広知事=16日、台北(NNA撮影)

愛媛県は15~17日、台北市の松山文化創意園区(松山文創園区)で、愛媛県の魅力をアピールするイベント「大愛媛フェア in 台湾」を開いた。愛媛県の松山空港と台湾桃園国際航空を結ぶ航空便の運航が6日から再開したのに合わせて、県内の産品やグルメ、観光地などを幅広く紹介し、大勢の来場者でにぎわった。

会場では、愛媛県東温市の「坊ちゃん劇場」で公演中のミュージカル「KANO」をPR。松山市出身の野球指導者、近藤兵太郎が日本統治時代の台湾で監督として率いた嘉義農林学校野球部の人間ドラマを描いた作品で、同ミュージカルに出演した台湾人キャストによる歌などが披露された。

愛媛県と広島県を結ぶしまなみ海道サイクリングロードを疑似走行できるバーチャルサイクリング体験を実施したほか、県内のスキー場やゴルフ場も紹介した。

県産品の関連では、愛媛県酒造組合のブースでは日本酒やリキュールなどの試飲と販売を行い、若者を中心ににぎわった。越智浩理事長は「直行便の運航再開を機に、お酒も含めて愛媛と台湾の食文化の交流が一層深まっていけば」と期待を述べた。

伝統工芸品の「砥部焼」は皿やカップなどを販売したほか、絵付け体験も実施。今治タオルはタオルやハンカチなどを販売し、女性らが手に取って品定めしていた。

キッチンカーでは地元のグルメである「鯛めし」や「じゃこ天」などを販売。蛇口をひねってみかんジュースを楽しめるコーナーも人気を集めた。

会場では砥部焼の販売が行われた=16日、台北(NNA撮影)

2日目の16日には中村時広知事が現地メディアに県の魅力をアピールした。食分野では「かんきつの生産量は日本一。40種類のかんきつを作っているが、採れる時期も味も香りも全て異なる」と強調した。

台湾の旅行者に向けては「日本の地方には特有の体験、風景、文化がある。それを堪能できるのが地方のいいところであり、愛媛県には魅力がたっぷり詰まっている」と述べ、直行便の運航再開でアクセスしやすくなったとして来県を呼びかけた。

来場した台北市の女性会社員(27)は「砥部焼はきれいで、みかんジュースはおいしかった。愛媛県に行ってみたくなった」と話していた。

日本の観光庁が発表している宿泊旅行統計調査によると、愛媛県の台湾からの宿泊客(延べ人数)は2019年は約6万人で国・地域別で最も多かった。23年は約4万8,000人となっている。

愛媛県酒造組合のブースでは日本酒やリキュールなどの試飲と販売を行った=16日、台北(NNA撮影)

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