「学生プロレスとプロレスラーは違うんで」DDT初のインターンレスラー・鈴木翼が学生プロレスの大先輩とプロデビュー戦!

17日、東京都・後楽園ホールにてDDTプロレスリング『Judgement2024~旗揚げ27周年記念大会5時間スペシャル~』が開催。DDT初のインターンレスラーとして学生プロレスから”母の子”マザコン・キッドがプロデビューを果たした。

学生プロレス(以下学プロ)とは、大学生・短大生・専門学生などがサークル活動・部活動といった形を取って行うプロレス活動の1つ。学園祭内でのプロレス大会の実施が活動の中心となっているが、近年ではプロが使用する会場で自主興行を行うことも多い。
かつてジャイアント馬場さんから教えを受けたMEN'Sテイオーが古巣のUWF関東学生プロレス連盟へ指導ノウハウを持ち込んだことから技術が体系化。その技術は今日に至るまで先輩から後輩へと口伝で受け継がれており、年々そのレベルは向上中。

卒業後にはアマチュアプロレス団体で選手を続けるための環境も充実している他、プロテストを受けて正式にプロレスラーとなる例も珍しくない。また、全国各地のローカルインディープロレス団体などでも学プロ出身者が指導に携わっていることが多く、“学生プロレス”という文化はプロレス界の裾野を広げている立役者と言っても過言でない。

そんな中、今年1月には一橋大学世界プロレスリング同盟(HWWA)の“母の子”マザコン・キッドこと鈴木翼がDDT初のインターンレスラーとして旗揚げ27周年記念興行でプロデビューすることが発表。
卒業まではDDTの大会に継続的に出場し、後に本人・団体間で協議の上で卒業後の進路を正式に決定するとのことだ。

鈴木のデビュー戦の相手は、同じく学プロ出身の高尾蒼馬。
高尾はUWF(学プロ団体)ではCIMAのオマージュレスラー“BIMA”として活動していた経歴があり、鈴木のデビュー戦の相手としてこの上ない存在だ。

鈴木は、プロの名に恥じないバキバキボディを仕上げて登場。対する高尾はTシャツを着たまま試合へ。
ゴングが鳴ると堅実なグラウンドレスリングに始まるも、鈴木が軽やかなティヘラで先制。高尾は好きなように攻めさせつつも、じっくりとした背骨攻めや連続エビ固めでスタミナを削っていくなどの老獪な攻撃を展開。
鈴木は打点の高いドロップキックで逆転の糸口を掴み、ノータッチ・トペ・コンヒーロやスワンダイブ式ミサイルキックなど華麗な空中技を披露。高尾もミサイルキックやダイビング・フットスタンプで反撃し、強烈なエルボーで打ち据えた上で両手を広げながら見下ろすというプロの洗礼。
コーナーに上った高尾を雪崩式フランケンシュタイナーで放り捨て、フェニックス・スプラッシュを発射。しかし、高尾が回避して自爆させ、顔面をぶち抜くトラースキック。丸め込み連発で粘る鈴木だったが、高尾がカウンターのランニングエルボーからパーフェイクト・ドライバーで突き刺して3カウントを奪った。

試合後には、高尾が鈴木に二言三言語りかけてからガッチリ握手。退場時には、ゲート前で試合を見守っていた男色ディーノが祝福のリップロックを浴びせた。

バックステージに戻った高尾は、「直属じゃないけど学生プロレスの後輩がデビューしたんで嬉しいですね。学プロでスゴいと言ってても、学生プロレスとプロレスラーは違うんで。それを少しでも体感できたなら良かったと思います。別に(フィニッシュは)逆エビでも良かったんですけど、なんでパーフェクト・ドライバー出したかって、学生プロレス時代から大事に使ってきた技なんで。君がいつかフェニックス・スプラッシュで高尾蒼馬に勝つときを待ってるよ。またやろう!」と男気あふれるコメント。

対する鈴木は、「なかなか上手く行かなかったなと。普段やってる技とかもキレとかが数段低くて。これからの課題というか。たくさんのお客さんがいる大きい会場でも自分のパフォーマンスを100%出せるように準備していきたいと思いました。(プロと学プロは)別競技というか、ソフトボールと野球みたいな、そのくらいの違いがあると感じました」とコメント。
さらに「大きい舞台で物怖じせず正々堂々闘うための気持ちの部分がまだまだ甘いので、まずは心技体、心の部分を強くして結果的に良いレスラーに成長していきたいと思っております」と今後の抱負を語った。

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